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間接法によるキャッシュフロー計算書の考え方をわかりやすく解説

CF計算書

キャッシュ・フロー計算書(CF計算書)の表示方法は直接法と間接法の2つがありますが、実務上は間接法を採用するケースがほとんどです。

しかし残念なことに間接法は直感的にわかりづらいものになっています。

そこで、初めて間接法を勉強する人向けに、間接法によるキャッシュ・フロー計算書の読み方について図解を交えてわかりやすく解説をしていきます。

【初めてのキャッシュ・フロー計算書】基本から分析方法まで、図解を用いてわかりやすく解説

今回の目標

この間接法によるキャッシュ・フロー計算書が読めるようになるのが目標です。

用語について

CF:キャッシュ・フローの略です。
△:マイナス記号を意味します。

間接法の基本的な考え方

間接法の目的

「損益計算書の利益」と「営業CF」がズレている理由を明らかにする

というのが間接法の目的です。

例えば、P/Lの利益は100万円なのに、営業CFが300万円もあったらどう思う?
うーん、なんでそんなにズレてるのか知りたいです
そうじゃな、その期待に応えるのが間接法なのじゃ!

このように、間接法では利益と営業CFがズレている理由がわかるようになっています。

間接法の注意点(符号の意味)

間接法を別の見方をすると、利益の額を調整して営業CFの額に修正しているとも言えます。

そのため、間接法におけるプラス・マイナスの符号は、実際に現金が増えた減ったことは意味していません
あくまでも、利益から営業CFを求める際の調整でしかないのです。

実際に現金が増えたとか考えてしまうと「間接法は意味不明・・・」となってしまうので、この点は要注意じゃ!
補足|利益と営業CFがずれる理由
P/Lは発生主義に基づき作成するので、現金収支に関わらず利益が算定されます。またP/Lの利益には営業CFとは関係ない項目も含まれます。そのため、利益の額と営業CFはズレるのです。(この点は下記の記事でもう少し詳しく触れています)

利益の額と現金増加額がずれる理由

間接法の具体的な仕組み

基本的な考え方をおさえたところで、具体的な内容に入ります。

税引前当期純利益と小計

上では「利益を営業CFに調整」と表現しましたが、実際には「税引前当期純利益を小計の金額に調整」するのが正しい表現です。

税引前当期純利益は、その名のとおり税金を引く前の純利益です。

対して、小計は「利息や法人税を加味しない営業CF」の額で、ある意味「純粋な営業CF」の額と言えます。

ただし、大きな部分で意味は同じなので、これ以降も基本的に「利益」や「営業CF」という表現を使います。

調整項目

調整項目は大きく3種類あります。

・営業外損益項目・特別損益項目

・非資金損益項目

・営業に関する資産・負債の増減

これらについて具体例を使って説明をします。

営業外損益項目・特別損益項目

利益を営業CFに調整するために、営業外損益と特別損益を加減算します。具体的には、費用は加算、収益は減算します。

営業外損益や特別損益は営業に関係ない項目ですが、P/Lの利益にはそれらが含まれてしまっています。そのため、P/Lの利益が営業CFになるように、営業外損益や特別損益をP/Lの利益から除外する必要があるのです。

具体例

・商品を100円で販売し代金を受け取った
・利息を10円受け取った

結論→P/Lの利益110、営業CF100

この調整は、P/Lを下から上にさかのぼって営業利益を求めている感じだね
そうじゃな。だが営業利益=営業CFとはならんのじゃ。なので営業利益が営業CFになるように、まだ調整が2つ必要なんじゃ

非資金損益項目の除外

営業利益≠営業CFとなる原因の1つ目は非資金損益項目です。

P/Lの営業利益にはキャッシュフローを伴わない損益が含まれています。その代表例が減価償却費です。

間接法のキャッシュ・フロー計算書、減価償却費を加算するのはなぜ?

減価償却費を計上しても、その場で現金を払うわけではありません。このような項目を非資金損益項目と言います。

非資金損益項目はキャッシュフローに関係がないため除外します。

具体例

・商品を100円で販売し代金を受け取った
・利息を10円受け取った
・減価償却費を20円計上した

結論→P/Lの利益90、営業CF100

これで営業利益から非資金損益項目を抜くことができた。かなり営業CFに近づいてきたぞ。あともう少しじゃ!

営業に関する資産・負債の増減の調整

営業利益≠営業CFとなる原因のもう一つが、営業に関する資産・負債です。

営業に関する資産・負債は様々ありますが、売掛金、買掛金、商品、未払給料、退職給付引当金などが該当します。

注意

資産・負債の増減の調整について、下記の記事でも解説をしています。この記事ではシンプルに考え方をおさえてほしいと思います。

資産負債の増減のプラスマイナスを構造的に理解する(キャッシュ・フロー計算書・間接法)

先に結論をまとめると以下のようになります。

・営業に関する資産が

増加→CF計算書上でマイナスの調整
減少→CF計算書上でプラスの調整

・営業に関する負債が

増加→CF計算書上でプラスの調整
減少→CF計算書上でマイナスの調整
なんで資産が増加した場合、CFはマイナスにするの?例えば売掛金が増えた場合に現金を減らすって直感的にわからないな…
それは売掛金をCF計算書目線で定義すればわかるんじゃ

売掛金をCF計算書目線で定義すると、

「利益を計上したのに、現金が増えてない金額」

となります。

上で説明したとおり、利益の額を営業CFに調整するのが間接法の考え方なので、下記の仕訳も利益と営業CFに注目して見てみます。

借  方 金額 貸  方 金額
売掛金 10 売上(利益) 100
現金(営業CF) 90

利益と営業CFの視点で売掛金をみると、売掛金10は、利益100の内、現金が増えてない金額となります。

そのため、「売掛金が増える→利益 > 営業CF」となるので、利益から営業CFを算定するためにマイナスの調整をするのです。

お金が減ってるというわけじゃなくて、利益から営業CFを求めるための調整をしてるだけなんだ

逆に「売掛金の減少」というのは、売掛金を回収した場合です。

借  方 金額 貸  方 金額
現金 10 売掛金 10

この場合には、利益はゼロですが営業CFは10です。つまり、「利益 < 営業CF」であるためプラスの調整をします。

他の勘定科目も含めて簡単にまとめると以下のようになります。

・営業に関する資産の代表例
増加:利益 > 営業CF→マイナス調整

売掛金の増加:売掛金××/売上××
→収益を計上したのに、現金が増えてない

商品の増加:商品××/現金××
→費用を計上していないのに、購入した分だけ現金が減った

減少:利益 < 営業CF→プラス調整

売掛金の減少:現金××/売掛金××
→収益は計上されないのに、現金が増えた

商品の減少:売上原価××/商品××
→費用を計上したのに、現金は減らない

・営業に関する負債の代表例
増加:利益 < 営業CF→プラス調整
買掛金の増加:仕入××/買掛金××
→費用を計上したのに、現金が減ってない

減少:利益 > 営業CF→マイナス調整
買掛金の減少:買掛金××/現金××
→費用は計上されないのに、現金が減った

これで調整項目の説明は以上じゃ

最後に

もう一度、冒頭で紹介した間接法のCF計算書をみてみましょう。

利益と営業CFがなぜずれているのかがわかるようになったのではないでしょうか?

間接法は特徴的な構造なので一見難解ですが、ぜひ本記事で理解してもらえれば幸いです。

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会計ノーツ 編集長
nobo

会計ノーツ編集長のnoboです。普段はCPA会計学院で公認会計士講座の講師をしながら、会計の教え方を日々研究しています。
公認会計士試験、日商簿記1級に合格済みです。

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