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【初めてのキャッシュ・フロー計算書】基本から分析方法まで、図解を用いてわかりやすく解説

キャッシュフロー計算書とは CF計算書

今回は財務諸表の1つであるキャッシュ・フロー計算書について、初めて学習する人向けに、図解を交えてわかりやすく解説をします。

ぜひこの記事を通じてキャッシュ・フロー計算書の基礎をおさえてほしいと思います。

補足略称について

これ以降、キャッシュ・フロー計算書はCF計算書と略します。ちなみに、英語では”cash flow statement”というためCSと略すこともあります。

キャッシュ・フロー計算書とは

CF計算書の概要

CF計算書は財務諸表の1つで、貸借対照表・損益計算書と合わせて財務3表と言われます。

CF計算書の目的は、

資金(現金)の増減理由を活動別に示す

ことです。

資金は会社にとって最重要資産です。

そのため、投資家は資金の増減理由に興味をもっています。

しかし、2期分の貸借対照表をみれば資金の増加額はわかっても、増減理由まではわかりません

CF計算書と貸借対照表

また、損益計算書をみれば利益に関する情報はわかりますが、利益と資金の増減額はズレてしまいます。

利益の額と現金増加額がずれる理由|損益計算書とキャッシュ・フロー計算書の比較

つまり、貸借対照表と損益計算書だけでは資金の増減を示すことができないのです。

そこで、もう一つ財務諸表を作成する必要があり、それがCF計算書というわけです。

補足キャッシュ・フローの意味

CF計算書のキャッシュ・フローは「資金の流れ」という意味です。キャッシュ・フローという言葉と合わせて以下の用語もおさえておきましょう。

・資金を獲得すること
→「キャッシュ・インフロー」

・資金を払うこと
→「キャッシュ・アウトフロー」

 

では早速、CF計算書の実物を見てみましょう。(トヨタ自動車株式会社の2017年3月期連結CF計算書です)

項目が多いので難しく見えますが、大枠をつかむために見るべきポイントは以下の4つです。

CF計算書の見るべき4つの金額
  • 営業活動によるCF
  • 投資活動によるCF
  • 財務活動によるCF
  • 上記の合計額(トータルのCF)

「各活動ごとのCF」と「その合計額」が上から順に並んでいることがわかるかと思います。
ポイントだけに注目した簡略版のCF計算書にするとこんな感じです。

ちなみに△の企業はマイナスを意味しています。

資金の増加額556億円の内訳を活動別に表示しているんだね
4つの数字だけに注目すると、CF計算書はすごくシンプルな財務諸表ということがわかるじゃろ
そうですね…ところで営業とか投資とかって具体的にはどういうことですか?

営業活動・投資活動・財務活動

上記のとおり、CF計算書では会社の活動を「営業」「投資」「財務」の3つに区分した上でそれぞれのCFを表示します。

営業活動によるCF

営業活動とは、本業に関する活動です。具体的には、商品の販売、商品の仕入れ、人件費の支払い、広告宣伝費や水道光熱費など経費の支払い、などが該当します。

投資活動によるCF

投資活動とは、設備投資に関する活動です。具体的には、固定資産の購入や売却が該当します。また、有価証券の取得や資金の貸し付けなど他の投資活動を行っている場合も該当します。

財務活動によるCF

財務活動とは、資金調達に関する活動です。具体的には、資金の借り入れ、増資、リース債務の支払いなどが該当します。

活動別に分けて示すのがCF計算書の特徴じゃ

直接法と間接法

表示方法が2種類あるという点もCF計算書の特徴の一つです。

名称はそれぞれ「直接法」と「間接法」といいます。

両者を並べるとこのようになります。

よく見てみると、上の方の営業活動の表示方法は違いますが、それ以外は全く同じということに気づけるかと思います。

特に、上記で説明した「大枠をつかむために見るべきポイントは4つ」の金額はどちらで作成しても同じです。そのため、まずは両者の区別はしなくていいと思います。

両者の違いやメリットデメリットについては下記の記事で詳しく解説をしています。

キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法の比較

間接法自体を詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでください。

間接法によるキャッシュフロー計算書の考え方をわかりやすく解説
ちなみに主流なのは間接法じゃ

CF計算書を分析するための視点

それぞれの活動のCFの増減に着目することで、簡易的な分析ができます。

営業活動によるCFの分析

営業CFが+

→ 本業で資金が増加

営業CFが△(マイナス)

→ 本業で資金が減少

 

営業CFはプラスの方が健全で良さそう
基本的にはそうじゃな。逆に営業CFがマイナスの場合には、本業からCFを獲得できていないということで、かなり危険な状態じゃ

投資活動によるCFの分析

投資CFが+

→ 設備や株式を売却して資金が増加

投資CFが△(マイナス)

→ 設備や株式に投資をして資金が減少

 

投資CFがプラスってのは設備とかを売却しているってことなのか・・・
そうじゃ。投資CFがプラスってのは投資を清算して事業から撤退しているということなので、良くないことじゃなんじゃ。逆に投資CFがマイナスの場合には、事業拡大のために設備投資を行っていることを意味しておる。つまり投資CFはマイナスの方が好印象じゃ

財務活動によるCFの分析

財務CFが+

→ 資金を調達した

財務CFが△(マイナス)

→ 資金の返済をした

 

借金は返した方がいいから、財務CFはマイナスの方がいいのかな
これは一概にはいえないんじゃ。財務CFがプラスってのは外部から資金調達をしたということじゃが、その理由が設備投資のためならそれはいいことじゃ。

トヨタのCF計算書を分析すると

改めて簡略版のCF計算書をみてみましょう。

これを分析してみると、以下のようなことがわかります。

本業からしっかり資金を34,142億円獲得して、そのうち29,669億円を新規投資に回しています。
さらに3,752億円は借入金の返済や配当の支払いをして資金を還元しています。

ただそれでも、正味では556億円の資金増えているので、かなり健全な状態といえるでしょう。

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まとめ

今回はこれで以上です。初めてキャッシュフロー計算書を勉強する方向けに、内容を絞って説明しましたが、キャッシュフロー計算書の入門編としては充分なものになっています。

最後に今回の内容をまとめておきます。

Point

  • CF計算書の目的は「資金の増減理由を活動別に示す」こと
  • CF計算書は「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つの活動に区分してCFを表示する
  • 上記の3つの活動及びそれらの合計額に注目することが大事
  • 直接法と間接法は基本的に同じ
  • 営業活動は+がいい、投資活動は△がいい、財務活動は一概にいえない
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CF計算書 論点解説
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このノーツを書いた人
nobo

会計ノーツ編集長のnoboです。
普段はCPA会計学院で公認会計士講座の講師をしながら、会計の教え方を日々研究しています。
公認会計士試験、日商簿記1級に合格済みです。

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