- 連結損益計算書の「当期純利益」と「親会社株主に帰属する当期純利益」は何が違うのですか?
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当期純利益とは、「企業集団の純利益」のこと。
親会社株主に帰属する当期純利益とは、「企業集団の純利益のうち、親会社株主に帰属する純利益」のこと。
解説
連結P/Lの当期純利益は、企業集団全体の当期純利益です。
企業集団全体の利益なので、基本的に、親会社と子会社の当期純利益の合計となります。
例えば、
- 親会社(P社)の純利益:400
- 子会社(S社)の純利益:100
の場合、連結P/Lの当期純利益は500になります。

対して、親会社株主に帰属する当期純利益は、この500のうち親会社株主に帰属する金額のことです。
例えば、P社のS社に対する持分比率が60%だった場合を考えてみます。
株主に注目すると、企業集団の株主には、P社株主と非支配株主の2種類の株主がいることがわかります。
(非支配株主とは、子会社の株主のうち、親会社以外の株主をいいます)

この場合の親会社株主に帰属する当期純利益は460になります。
計算過程は、400+100×60%=460となるのですが、下記の図でイメージした方がわかりやすいでしょう。

S社利益の100に注目すると、100が60と40に按分されています。
この結果、S社利益100のうち60がP社に帰属するため、
P社株主に帰属する額は400と60の合計の460になるのです。
(企業集団の利益500から親会社株主に帰属しない利益40を控除することでも、460を計算することができます。)
これが、親会社株主に帰属する当期純利益です。
まとめ
以上を踏まえて、最後に、連結損益計算書をみてみます。

- 当期純利益:企業集団全体の純利益
- 親会社株主に帰属する当期純利益:企業集団全体の純利益のうち、親会社株主に帰属する額
企業集団には、親会社株主と非支配株主の2種類の株主がいるため、企業集団全体の純利益だけでなく、株主別の純利益も表示するのです。
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コメント
コメント一覧 (13件)
説明と図解がとても分かりやすかったです。
頭の中が整理されていくのが分かりました😊
初めまして質問なのですが、例題と同様に60%支配で、
親会社(P社)の純利益:-100
子会社(S社)の純利益:100
だった時に、
『当期純利益:企業集団全体の純利益
親会社株主に帰属する当期純利益:企業集団全体の純利益のうち、親会社株主に帰属する額』
のように考えた場合、
企業集団全体の純利益→ 0
親会社株主に帰属する当期純利益:企業集団全体の純利益のうち、親会社株主に帰属する額→ 0
非支配株主に帰属する額→ 0
になるのでしょうか?
それとも子会社の方で利益がでているので企業集団全体では利益がでていなくても
企業集団全体の純利益→ 0
親会社株主に帰属する当期純利益:企業集団全体の純利益のうち、親会社株主に帰属する額→ ー40(-100+100×60%)
非支配株主に帰属する額→ 40(100×40%)
になるのでしょうか?
後者の方になります!
今まではなんとなくの知識でしたが、スッキリしました。
とてもわかり易く、助かります。ありがとうございます。
直ぐにブックマークしました!
コメント、そして、ブックマークありがとうございます!!!
マックスバリュ西日本の20年2月期、営業利益2,742Mで、親会社株主、5,327Mの損失となってますが、こんなこともあるのですか?
少し調べてみましたが、減損損失を計上したみたいですね。
減損損失は特別損失であり、営業利益の下に計上されるので、
減損損失の金額が大きければ、営業利益が黒字でも、純利益は赤字になるということが起き得ます。
わかりやすかったです!ありがとうございます。
ありがとうございます😊
モヤモヤしていた疑問がスッキリしました。
お役に立てて良かったです👍
わかりやすかったです!
読みやすく、デザインがかわいいのも良かったです!
コメントありがとうございます!
コメント気づかず返信遅れました💦