【図解】フローとストックを理解する!両者の関係をおさえよう!

こんにちは!

今回は、会計を理解する上でとても重要な「フローとストック」についてシンプルに解説します!

目次

結論

まずは結論から。

会計でいうフローは、「一定期間の増減額」のことを指します。

対して、ストックは、「一定時点の残高(量)」のことです。

いまいちピンと来づらいと思うので、図解つきの具体例を用意しました。

具体例

まず、お風呂に水が1リットル入っているとします。

フローとストックの図1
ボブ(勉強中)

フローだけに、おフロの例なんだね

今からこのお風呂に水を入れていくのですが、同時に排水口から水が出ていってしまう、としましょう。

フローとストックの図

今回は、「5リットル入れたけど、2リットル出て行った」とします。

そうすると、いまお風呂には4リットルの水があることになります。

フローとストックの図
ボブ(勉強中)

うんうん

これをベースにフローとストックを説明します。

まず、フローとは「一定期間の増減」のことです。

つまり、この例では「5リットル入れたけど、2リットル出て行った」がフローです。

フローとストックの図

フロー(flow)は英語で「流れ」という意味ですが、文字通り水の流れをイメージすれば分かりやすいと思います。

対して、「一定時点における量」がストックです。

ストック

初めに入ってた1リットル、今入っている4リットルがストックという概念です。

ボブ(勉強中)

なるほど、フローが一期間の増減で、ストックが一時点の量か!そんなに難しい話じゃなかった!

フローとストックの関係

フローとストックは別の概念ではありますが、決して無関係ではありません。

むしろ密接な関係性をもっています。

それは、「フローの分だけストックが増減する」という関係です。

フローとストックの図

上記の図を見れば一目瞭然です。

最初の1に、フローの「+5」と「-2」を加減するからこそ、今の量は4になったのです。

ボブ(勉強中)

「フローは原因、ストックは結果」と捉えることもできるね

するどい!その通りです。

損益計算書と貸借対照表

財務諸表でいえば、損益計算書がフローの財務諸表で、貸借対照表がストックの財務諸表と言われます。

BSとPL

損益計算書は、一期間の経営成績を示すのでフロー
貸借対照表は、一定時点の財政状態を示すのでストック

さっき、フローとストックは関係性があると説明しましたが、これはPLとBSも例外ではありません。

クリーンサープラス関係

このように、利益の分だけ資本が増加するという関係を持っています。
ちなみに、これをクリーン・サープラス関係と呼びます。

フローとストックの大事なポイント

では、ここで問題です!

ボブ(勉強中)

え!急に!?

結局、お風呂の水は何リットル増えたでしょうか?

ボブ(勉強中)

え、あ、、、またお風呂か、、、えーっと、5リットル入れて2リットル出たから、3リットル?

正解です!

ボブ(勉強中)

ホッ、簡単な問題でよかった

今、ボブは「5リットル-2リットル」で計算しましたが、これはフローに着目した計算式と言えます。

ボブ(勉強中)

フロー?

下記の図を見てみてください。

フローとストック
ボブ(勉強中)

確かに、「5-2」はフローに着目した計算と言えるな…

対して、ストックに着目して計算することもできます

ボブ(勉強中)

ストックは、最初の1と最後の4…あ、そうか!1リットルの水が4リットルになったって考えれば、「4-1」で3リットルを計算できるんだ!

フローとストックの図

そのとおりです。

純増加量の3リットルは、ストックの差でも算定できます。

つまり、「一定期間の増減額は、ストックからでも、フローからでも、どちらからでも求めることができる」のです。

言われれば当たり前のことなのですが、この見方は会計ではとても大切です。

なぜなら、ある金額を計算する際に、フローからの方が計算しやすい場面もあれば、ストックからの方が計算しやすいこともあるからです。

よって、両方の計算をおさえておくことが、計算力や理解の強化につながるのです。

フロー・ストックと売上原価の計算

フローのうち、給水した5をインフロー(inflow)、排水の2をアウトフロー(outflow)と呼ぶことにします。

では、もう1つ問題です。

下記で「?」となっているアウトフローの量はいくらでしょうか?

さっきまでの数値と全く同じなので、考えなくてもわかると思いますが、答えは「2リットル」です。

フローとストックの図

計算式にすると、こうなります。

最初1+インフロー5-最後4=アウトフロー2

ボブ(勉強中)

うんうん

この計算式から判明する大事なポイントがあります。

それは、「どれくらい出たか(アウトフロー)?」は、「ストックとインフローの情報があれば計算できる」という点です。

ボブ(勉強中)

どういうこと?

特に難しくはありません。
さっきの計算式をもう一度見てみてください。

アウトフローの2は、「ストック情報の1と4」と「インフローの5」を使って計算してますよね。

ボブ(勉強中)

確かに…でも、これがどうしたの?

実は、会計ではこの計算式がよく登場するのです。

一番典型的なのは売上原価の計算です。

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売上原価とは、払い出された商品の原価であり、言い換えるなら商品のアウトフローの金額です。

簿記では、この金額を「期首在庫+当期仕入-期末在庫」で計算しますが、これはまさにストックとインフローを使った算式と言えます。

ボブ(勉強中)

期首在庫と期末在庫がストックで、当期仕入がインフローか、、、確かに!

ストックとインフローの関係がしっかりわかっていれば、公式のように丸暗記するのではなく、ちゃんと納得しておさえることができるのです!

最後に

本記事は以上です。

最後に紹介した売上原価の計算のように、会計ではアウトフローをストックとインフローから計算することは多くあります。

そのため、フローとストックの関係を理解することは、会計の理解につながります。

特に難しい概念ではないので、しっかりおさえるようにしましょう!

●余談→フローとストックの関係は、お風呂の水で説明しきれない理由

おまけ

おじさん(先生)

この記事はわかりやすかったかの?

ボブ(勉強中)

うん!もっと会計のこと学んでみたいな!

おじさん(先生)

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会計ノーツの管理人である登川が、会計を勉強する全ての方に向けて、

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