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金利スワップとヘッジ会計を理解する①(キャッシュフローヘッジ)

デリバティブ
このノーツを書いた人
nobo(登川雄太)

CPA会計学院で公認会計士講座の講師をしています。会計が大好きで、どうすればわかりやすく教えられるかを日々考えています。
(略歴)慶應高校→慶應大学→在学中に公認会計士試験と日商簿記1級に合格→監査法人トーマツ→CPA&会計ノーツ開設

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金利スワップとヘッジ会計について図解を用いてわかりやすく解説をします。

金利スワップによるヘッジ取引は

  1. 変動金利を受け取って、固定金利を支払う
  2. 固定金利を受け取って、変動金利を支払う

の2パターンがあります。

1はキャッシュ・フローヘッジ2は公正価値ヘッジとなるのですが、今回は1について説明します。

ちなみに2は下記の記事で説明しています。

金利スワップとヘッジ会計を理解する②(公正価値ヘッジ)
固定金利の借入金を変動金利に変えるための金利スワップ・ヘッジ会計についてわかりやすく解説をします。

キャッシュ・フローヘッジの取引

会社は変動金利で資金を借り入れるケースがあります。この場合、市場金利が下がれば金利負担(支払利息)は減りますが、逆に市場金利が上がると金利負担も上がります。

金利が上がるか下がるかは将来のことなのでわかりません。ただどちらに転ぶにせよ、会社からすると将来支払う金額が変動する(不確実である)というのは資金管理上リスクがあります。

つまり変動金利には「将来のキャッシュ・フローが変動するというリスクがある」のです。

逆に固定金利ならばそのリスクはありません。

そこで金利スワップです。具体的には、変動金利を受け取る&固定金利を支払う契約です。この契約を結ぶことで変動金利の借入金を、実質的に固定金利の借入金とすることができます。

▼図解

キャッシュフローのリスクを回避するから、キャッシュ・フローヘッジと言うんだね
キャッシュ・フローヘッジの仕訳

取引のイメージがついたら、続いては仕訳です。

借入取引とスワップ取引は別の取引です。この2つの取引を区別して仕訳すると以下のようになります。

・Y銀行への変動金利の支払(1行目の仕訳)と
・Z銀行からの変動金利の受取(2行目の仕訳)

は逆仕訳になっているので相殺できます。その結果、残るのはZ銀行への固定金利の支払(3行目の仕訳)のみとなります。

仕訳的にも固定金利の借入金の仕訳になった!

繰延ヘッジ処理と特例処理

上記までの説明は、金利のやりとりにしか注目していません。実は考えなくてはいけないことがもう一つあります。

それはヘッジ手段である金利スワップ契約自体です。

金利スワップ自体はデリバティブ取引です。デリバティブ取引は「期末に時価評価&評価差額は損益(P/L計上)」が原則です。

しかし今回の金利スワップについてその会計処理は適用しません。なぜなら、ヘッジ対象である借入金から時価評価損益は計上されないからです。

もし借入金から時価評価損益がでるなら、スワップの時価評価損益と相殺することでP/L上においてヘッジの実態を表すことができますが、

借入金の時価評価損益がでないなら金利スワップの時価評価損益もP/Lに計上すべきではないのです。

よって、スワップの評価差額はB/Sの純資産の部に直入をします。

これがヘッジ会計の適用で、会計処理名を繰延ヘッジといいます。

このように、繰延ヘッジを適用すると時価評価損益を計上せずに済みます。つまり、P/Lは適切なものになります。

でもB/Sはどうでしょうか。スワップの時価評価自体はしているので、時価評価差額がB/Sに計上されてしまいます

金利スワップの時価は「そのスワップ契約で来期以降いくら儲かるか」という額を意味しています。(これはまた別記事で説明します)

しかし今回は「スワップで儲けよう」ではなく「スワップで変動金利を固定金利に変えよう」という趣旨で行っています。

であるならば、B/Sに計上されている時価評価の額に意味はありません。

よって、スワップをそもそも時価評価しないという処理も認められています。

この処理名を特例処理といいます。

特例処理の場合には時価評価しないため固定金利で借入れた場合と同じ財務諸表になるぞ。デリバティブなのに時価評価しないのはかなり例外的な処理なのじゃ。だから「特例」処理というんじゃ

今回のまとめ

変動金利を固定金利に変えるというスワップ自体は直感的にわかりやすいものです。しかし会計処理をおさえるためには、
・デリバティブの基本的な理解
・繰延ヘッジ処理の理解
・特例処理の理解
と、理解すべきことが多いので大変です。

今回の記事で理解してもらえれば幸いです!

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