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【図解】のれん等調整額を理解する!(分配可能額)

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登川 雄太(nobocpa

CPA会計学院 公認会計士講座 講師

こんにちは!

今回は、分配可能額の算定における「のれん等調整額」について解説をします!

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理解するための準備

まず、次のような貸借対照表をイメージします。

資産と資本だけの貸借対照表
のれん等調整額を考えるうえでは、資産と資本だけのBSを前提にするのが楽じゃ

そのうえで、資本の内訳は次のようになっているとします。

  • 資本金と準備金(利益準備金、資本準備金)
  • その他資本剰余金
  • その他利益剰余金
資本の部
あれ?普段の並び順とは違うわね

この並びは、分配不能と分配可能に区分したものです。

資本等金額と剰余金
なるほど…

また、上図のとおり、分配不能部分を資本等金額といい、分配できる部分を剰余金といいます。

用語

  • 資本等金額:資本金、資本準備金、利益準備金の合計
  • 剰余金:その他資本剰余金とその他利益剰余金の合計
資本金等ではなく、資本等金額(しほんとうきんがく)じゃから注意じゃ。

のれん等調整額と分配規制の趣旨

続いて、貸借対照表の借方、つまり「資産」を考えてみます。

資産には色々ありますが、基本的にどの資産も換金可能性があります

お金に変えることができるってことじゃな

資産には換金可能性があるので、基本的には、剰余金の全額を分配しても問題ありません。

剰余金は分配できる

しかし、資産の中には、換金可能性が怪しいものがあります。

 
「のれん」と「繰延資産」です。
 

繰延資産は、本来は費用なので換金可能性はゼロです。

のれんも、のれん単独では換金できるものではないので、(繰延資産ほどではないにしても)換金可能性は怪しいです。

そのため、分配可能額の算定に当たって、会社法では次のように考えます。

会社法の考え

  • のれん → のれん計上額の1/2は換金可能性がない
  • 繰延資産 → その全額について換金可能性がない
  • よって、のれん1/2と繰延資産が多額に計上されている場合は、分配可能額に規制が必要だ。
のれん等調整額

この、「のれんの1/2と繰延資産を足した金額」をのれん等調整額といいます。

用語

  • のれん等調整額:のれん×1/2+繰延資産
ちなみに、1/2自体に明確な意味はない。「ざっくり、のれんの半分くらいが換金できなさそうだな」くらいのイメージでOKじゃ

前提は以上です。

ここからは、具体的なのれん等調整額の規制について解説をします。

分配規制が必要になる場合

まず始めに、のれん等調整額が多額かどうかを判定します。

「のれん等調整額」が「資本等金額」を超えないなら、多額ではないと考え、分配可能額を減らすことはしません。

分配規制が不要な場合

しかし、「のれん等調整額」が「資本等金額」を超えたら、どうでしょうか?

この場合、剰余金に換金不能の額が食い込むので、規制が必要です。

のれん等調整額の減算が必要な場合
確かに、この場合に剰余金の全額が分配できてしまうのは良くないわね
そのとおりじゃ。この場合は、分配可能額を減額する必要があるのじゃ

減算額の算定(基本)

基本は、のれん等調整額が剰余金に食い込んだ額を、分配可能額から減額します。

具体例のれん等調整額の減算額

  • 資本等金額:100
  • 剰余金:50
  • のれん等調整額:120

分配可能額はいくら?

分配可能額:剰余金50−減算額20=30

これは、下記のイメージで考えましょう。

のれん等調整額の減算の基本

剰余金は50ありますが、のれん等調整額の食い込み分20を減額するのです。

この結果、換金できる資産に対応する部分のみが分配可能額となります。

のれん等調整額の減算額(基本)

  • のれん等調整額 > 資本等金額→減算額あり
  • 減算額=のれん等調整額−資本等金額
  • 分配可能額=剰余金−減算額
剰余金に食い込んだ部分を減額するって考えると、意外とシンプルね
そうなんじゃ!のれん等調整額はシンプルなのじゃ!
よかったわ!
ルーシー、安心するのはまだ早い。もう1つ考えることがあるんじゃ

のれんが多額になる場合

もう1つ考えるべきこと、それはのれん(←のれん等調整額ではなく、のれん)です。

のれんは、企業結合(主に合併)で計上されますが、その金額は多額になりがちです。

合併の結果、のれんが多額になってしまうと、のれん等調整額が多額になり分配可能額が少なくなる可能性があります

合併したせいで、利益の分配ができなくなってしまうのは良くありません。

合併は企業を拡大するための取引なのに、そのせいで配当できなくなるのは違和感あるわね

そこで、のれんが多額になっても分配可能額が残るように、もう一つルールがあります

それは、

のれんがどんなに多額になっても、

のれんの額は利益剰余金には食い込ませない

ようにしよう

というものです。

のれんは、利益剰余金に食い込ませない?
具体例で確認じゃ
具体例のれん等調整額の減算額②

  • 資本等金額100
  • 剰余金50(その他資本剰余金10、その他利益剰余金40)
  • のれん:260
  • 繰延資産:5

分配可能額はいくら?

分配可能額:剰余金50−減算額15=35

まず最初に、のれん等調整額の減算が必要かどうかを判定しましょう。
(これは、さっきまでの知識です)

  1. のれん等調整額:のれん260×1/2+繰延資産5=135
  2. 判定:資本等金額100 < のれん等調整額135 ∴減算額アリ
のれん等調整額が、剰余金に食い込んでいるから減算が必要ね。でも、今回の減算額はいくらになるのかしら?

では、減算額を算定していきましょう。

まずは、のれんが多額かどうかを判定します。

のれん×1/2 > 資本等金額+その他資本剰余金

この場合には、のれんが多額となります。

意味がわからないわ

簡単にいえば、のれんの1/2がその他利益剰余金に食い込む場合が多額ということです。

のれん等調整額

のれんが多額と判定されたら、利益剰余金食い込んだ部分を切り取ります。

そのうえで、繰延資産を足します。

のれん等調整額

あとは、さっきと同じで、剰余金と重なっているところを分配可能額から減額します。

のれん等調整額の減算額

上の図をよく見てみましょう。

減算額の15は、その他資本剰余金10と繰延資産5の合計になっています。

利益剰余金に食い込ませないようにするというのは、のれんに係る減算額はその他資本剰余金の額にするということです。

そのため、のれんが多額の場合の減算額は次のようにも計算できます。

減算額=その他資本剰余金+繰延資産

のれん等調整額の減算額(のれんが多額)

  • のれんの1/2 > 資本等金額+その他資本剰余金→のれん多額
  • 減算額=その他資本剰余金+繰延資産
  • 分配可能額=剰余金−減算額
CPAラーニング

最後に

のれん等調整額は非常に理解が大変な論点です。

それもそのはずで、分配可能額の規制は理論的な一貫性があるとはいいづらく
どちらかというと感覚的な規制になってしまっているのです(のれんを1/2したり、のれんが多額なら利益剰余金に食い込ませないなど)。

しかしながら、それなりに理解し、まあまあ納得することは可能です。

本記事で、「確かになあ」という感覚をつかむことができれば幸いです。

参考のれん等調整額の減算額

のれん等調整額の減算額を算定するだけなら、下記のように求めることができます。

  1. のれん等調整額−資本等金額
  2. その他資本剰余金+繰延資産
  3. 上記のうち、低い方が減算額

純資産会計
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コメント

  1. 匿名 より:

    最高に分かりましたありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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