収益認識の解説本は多く出版されていますが、その中でもかなり異彩を放っているのがこの一冊。
「注文の多い料理店で学ぶ収益認識会計」
結論から言うと、「オススメできる1冊」なので、今回ご紹介します。
児童文学と収益認識がまさかのコラボ!?
「注文の多い料理店」と言えば、宮沢賢治の代表作の1つで、そのジャンルは児童文学です。
一方、「収益認識会計基準」と言えば、本当にこれ日本語?とボヤきたくなるくらい難解な会計基準です。
そんな対極にある2つが組み合わさったのが本書。
発売前にtwitterで見かけてから気になっていたので、発売してすぐに購入しました。
今から勉強します😼 pic.twitter.com/vurdmrMdm0
— ボブ@会計ノーツ (@kaikei_notes) November 13, 2020
物語ではなく解説本
タイトルを最初見たとき、物語(読み物)なのか、それとも、基準の解説書なのかよくわかりませんでした。
きっと物語形式でゆるめの読み物だろうなあと予想していましたが、違いました。
実際のところは基準の解説書、しかも、かなりしっかりとした解説書です。
(物語形式でゆる〜く収益認識を勉強しようと思って本書を購入すると面食らうことでしょう)
ただ、ご安心ください。
本書は理解しやすい工夫がされているため、内容が頭に入ってきやすくなっています。
本書の工夫や特徴
そもそも収益認識基準が難しい理由は、抽象度が高いからです。
例えば、以下の文章。
本会計基準の基本となる原則は、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するように、収益を認識することである。
収益認識基準16項
この一文をパッと理解出来る人なんているのでしょうか…?
抽象度が高すぎるので、具体的にイメージすることが困難なレベルになってしまっています。
こんな調子でずっと続くのが収益認識基準なのです。
そんな中、本書では、具体的にイメージできるための工夫が多くされています。
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本書では、各論点ごとに以下の内容が記載されています。
- 「会話」形式による、シーンの紹介
- 「要点スケッチ」による、ポイントの説明
- 「会計基準の解説」で、基準を丁寧に解説
- 「設例」による、図解と仕訳例
- 「税務の取扱い」で、法人税と消費税の解説
このような構成になっているため、
- まず、会話と要点スケッチで論点の概要をつかみ、
- そのうえで、会計基準の解説や設例でしっかり内容を把握する理解する
というように、順序立てて理解することができるでしょう。
しかも税務までカバーしている
これはびっくりしました。
まさかの法人税と消費税までカバーされています。
表紙や帯に、税務も扱ってる旨は書いてありません。
それがもったいないと思えるくらい、しっかりと解説されています。
「会計処理だけでなく税務の扱いまで並列的に知りたい」という方にとっては非常に有用な書籍になっていると思います。
論点は一通り網羅している
目次をお見せしましょう。
ご覧のとおり、一通りの論点をカバーしています。
この辺も抜かりはありません。
ちなみに、総ページ数は250ページ程度。
ページ数以上に内容が濃い一冊になっています。
最後に
もしかしたら、「注文の多い料理店の原作を知らないから、本書が理解しづらいかも」と思ってる方がいらっしゃるかもしれません。
これに関しては、ひと言、
大丈夫です。
なぜなら、本書で書かれる会話と原作は特に関係がないからです。
そのため、原作を知らなくても問題なく読むことができます。
また、本書は頭から読む必要がないようになっています。
そのため、自分が興味がある分野だけ読むこともできます(辞書的に使うこともできる本です)。
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「注文の多い料理店で学ぶ収益認識会計」、収益認識を学習したい方にオススメできる一冊です。
興味を持たれた方は、ぜひ注文してみてはいかがでしょうか?
当サイトでもわかりやすく解説してますので、ぜひご覧になってください
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