売買目的有価証券に税効果会計が不要な理由

売買目的有価証券で税効果の仕訳を行わないのはなぜですか?

税法上も時価評価を行うため、評価損益に課税されるからです。

目次

解説

具体例

売買目的有価証券として保有する株式に関する情報は次のとおりである。

  • 取得原価:400
  • 期末時価:500
  • 法人税率:30%

この場合の必要な決算整理仕訳は以下のとおりです。

①時価評価
有価証券100/有価証券評価益100

②法人税等の計上
法人税等30/未払法人税等30

③税効果の仕訳
仕訳なし

 ▼

ポイントは②の法人税等の計上です。

この仕訳は税効果会計の仕訳ではなく、単なる法人税等の計上です。

実は、税法においても売買目的有価証券は時価評価を行うため、時価評価損益は課税されるのです。

法人税等:評価益100×税率30%=30

その結果、税効果会計を適用しなくても以下の損益計算書を作成することができます。

ボブ(勉強中)

会計上において税金の調整をする必要がないから、税効果の仕訳はしないんだね

ちなみに、満期保有目的の債券と子会社株式及び関連会社株式についても、会計と税法で差異はないため税効果は行いません。
(減損処理は除きます。)

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 おまけ 

おじさん(先生)

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ボブ(勉強中)

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