US CPAは4つの科目をすべてパスすれば合格できる試験です。
先日、1つ目の科目としてFARを突破したので、備忘録として合格までの道のりを書いておきます。
自分の基本情報
- 会計
日本の公認会計士講座の財務会計論の講師をしているので、日本の会計基準はチョットデキル - 英語
高校受験以来、ろくに勉強していないのでかなり怪しい。中学レベルの簡単な英文法くらいはわかっているが、単語力はほぼ皆無。たぶんTOEICは300点くらい(受ける勇気がないので、実際のところは不明)。あと、英検4級。
という感じで、公認会計士試験に合格しているという点が特徴的なので、多くの方にはおすすめできない方法です。逆に言えば、公認会計士試験合格者や簿記1級合格者(または、勉強経験者)には、参考になる部分があると思います。
ちなみに教材はCPA会計学院のU.S.CPA講座のものを使いました。
【2025年12月の年末】勉強開始(MC問題集を日本語で1周)
この時期にやったこと
2025年の年末から勉強を開始しました。
とりあえず新しい勉強なので、何から始めるか…
普通なら講義動画やテキストから始めるところですが、自分は問題集からスタートしました。
その理由は、日本の会計基準(以下、J-GAAP)とUSの会計基準(以下、US-GAAP)は「ほとんど同じ。違いは少し」と聞いており、また、初めて受ける試験なので、問題のレベル感を把握したい気持ちがあったからです。
US CPAはアメリカの試験なので、もちろん英語で出題されます。なので、問題集も英語です。ただ、CPA会計学院の問題集は英語の問題文の下に、日本語訳がついています。
「US-GAAP」と「英語」を同時に勉強するのは大変そうだなぁと判断し、まずは日本語で1周することにしました。

ここでちょっと補足
試験問題の形式にはMCとTBSの2種類があり、配点はそれぞれ半々。
- MCはMultiple Choiceの頭文字で、4択問題。どちらかと言えば基礎的な問題。
- TBSはTask-Based Simulationの頭文字で、仕訳の入力、計算結果の穴埋めなどをする問題で、こちらは応用問題。
とりあえず基礎を固めるために、MC問題集からスタート。
MCの問題集は3冊、問題数は1,000問くらいあります。
多くの問題(体感8割くらい)は日本の知識だけで解ける問題でしたが、ちょくちょく知らない論点も出てきます。
そのような論点に出くわしたら、テキストを開いて内容を確認。そして、メモアプリにメモ。
これをひたすらやっていきます。
4択問題なので、1問にかかる時間は短いですが、問題数が多いので、結局1周するのに約30時間かかりました(1冊目:13時間、2冊目:12時間、3冊目:6時間)。平均すると、1問2分くらいという感じです。
ただ、この1周のおかげで、US CPAの問題のレベル感やUS-GAAP特有の論点については把握することができました。ちなみに、レベル感は、結構簡単目です。シンプルな問題が多く、会計士試験や簿記1級のような難しさはありません(1つ前の画像のような、拍子抜けするような問題もあります)。英語さえ読めれば、普通に合格できそうだと感じました。
一方、US GAAP特有の論点としては、簡単なものから複雑なものまで様々でした。
個人的に難しいと感じた論点は以下のとおり。
- ドル価値後入先出法(いまだによくわかってない)
- 原価算入利子(J-GAAPと似てると見せかけて、全然違う)
- 商業的実体のない交換取引(なんか複雑)
- 自己株式(額面価額法がしっくりこなすぎる)
- 不確実な税務上のポジション(こんな論点があるんだ!?という感じ)
- 有価証券(債券と株式で違うという点が、なかなか馴染めなかった)
1周で一通り把握したとは言っても、たかが1周なので、もちろん全く押さえられていません。
勉強あるあるですが、1回やっただけではほとんど記憶に残りません。「公認会計士試験のときもそうだったな〜」と、我が青春の記憶がフラッシュバックしました。
またまた補足
FARの特徴として、公会計(政府などの会計)、財務諸表分析が試験範囲となっている点が挙げられます。
この2つは暗記論点です。そのため、日本語での1周の際は飛ばしました。英語にも慣れてきたタイミングで一気にやろうと考えたからです。
振り返りとアドバイス
このように、「日本語でとりあえず1周する」という戦略をとったわけですが、果たして、「日本語で1周」という勉強法は有効だったのか?と振り返ってみると、
「ちょっと微妙かな」が正直な感想です。
なぜなら、大部分の論点はもう知っていることだったので、多くの時間が「知っていることの確認」に費やされてしまったからです。言い換えると、合格に近づかないことに時間を割いてしまったなという感じ。J-GAAPをどこまで押さえているか次第ではありますが、公認会計士試験合格者の方には、最初から英語で解き進めていく方がいいと感じました。
ただ、日本語で始めることにメリットが全く無いわけではありません。日本語ベースだとサクサク解けるので、勉強に勢いがつきます(勉強のモチベーションを上げるためには、サクサク感が大事!(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑ …とは言っても、1周する必要はなくて、数章分だけでよかった気がしますが)。
ここまでの経過
勉強時間:30時間
進捗:MC問題集の日本語での1周(政府会計と財務諸表分析以外など一部の論点は除く)
【2026年1月上旬】MC問題集を英語で1周
この時期にやったこと
日本語で1周したあとは、ついに英語による問題演習です。
英語力は全然ではありますが、日本語で1度解いた問題を再度解くだけなので、「まあ、やればいけるっしょ」と高を括っていたら、、、
これが全然解けない。というか読めない。意味がわからない。
FARの勉強で、この時期が1番大変でした。やはり元々の英語力がなさすぎて、英文を見てもほとんど意味がわからず、諦めて日本語訳を確認すると、「うわっ…この問題、簡単すぎ…?」と絶望することしばしば。

解けない原因が、「専門用語の英語を知らないから」なら、まだいいのですが、
いかんせん、自分の場合は普通の英単語すらもわからないのです。
例えば、問題文の冒頭は、
Which one of the following statements〜
から始まることが多いのですが、まずこれが読めない笑
意味は、「次の記述のうち〜はどれか」なのですが、
「statementって記述っていう意味なのか!」
というレベル(ちなみに、statementには書類(財務諸表)の意味もあり、それもあって混乱)。
こんな有様なので正直、かなり焦りを感じました。
もしかしたら無理かも…とネガティブが頭をよぎることもしばしば。
ただ、ライブ配信で「US CPAに合格する」と宣言した以上はやるしかない!と気持ちを奮い立たせ、根気強くやるようにしました。
具体的な勉強法としては、
- わからなければ、すぐに日本語を確認
- ちょっとでも難しいと感じたら、AIに尋ねる
- 難しい英単語や複雑な英文の場合には、単語カードに書き出す
ということをしてました。
特に有効と感じたのは単語カードです。

この単語カード作成はすごく時間がかかります。日本語だと1問2分で解ける問題が、これをやると5分〜10分かかります。ただ、自分は「手を動かす」、「じっくりやる」を徹底しないと身につかないと経験則でわかっているので、「全然進まない〜(T ^ T)」と泣きながらも、頑張って書き出してました。
カードは最終的に、合計200枚以上は作ったと思います。
これを続けていった結果、最初のうちは全然読めなかった英文も、次第に読めるようになりました。この頃から、成長している実感を得ることができ、USの勉強が楽しくなってきたのを覚えています(せっかく作ったカードですが、実際にはそれを読み直すことはあまりしませんでした。どちらかと言うと書き出すのがメイン。ただ、それでも効果はあったと感じます)。
ちなみにこの時期は「英語を読めるようにしよう」という目的でやっていたため、US-GAAP特有の問題はあえて飛ばしていました(例えば、ドル価値後入先出法は、そもそも日本語でも押さえられていないのにそれを英語で解くのは無理すぎるのでいったんやらないことにした)
こんな感じで英語に四苦八苦しながらも、なんとか1周やりました。
期間としては約1ヶ月。時間としては、50時間くらいかかった気がします(測定してないので、誤差アリ)。
振り返りとアドバイス
自分は英語が全然ダメだったので、英語での1周はすごく苦労しました。
ただ、FARの英文は、そこまで難しいものではありません。おそらく、文法は中学レベルがわかっていればOK。単語は、高校レベルをある程度知っていればそんなに苦労しない気がします。
なので、「英語は普通レベルかな?」という方は、僕よりも短い時間で解けるようになるはずです。
もし僕と同じくらいのレベルの方は、頑張りましょう笑
すごく大変だと思いますが、USCPAを目指す以上ここは避けて通れないのでやるしかありません。
「やればできるようになる」は僕が証明したので、きっとあなたも大丈夫です!
ここまでの経過
勉強時間:約80時間(約1ヶ月)
進捗:MC問題集の日本語での1周→英語での1周(政府会計と財務諸表分析など一部の論点は除く)
【2026年2月上旬】TBS問題集を英語で1周
この時期にやったこと
MC問題集を英語で1周し、ある程度解けるようになったので、続いてはTBSの問題に取り掛かりました
MCの問題集は3冊で1,000問くらいありますが、TBSの問題集は2冊しかなく、かつ、1問で4,5ページ費やす問題もあり、結果として問題数は結構少なめです。そのため、気持ち的にはすごく楽でした笑
TBSは応用問題と聞いていましたが、内容がすごく難しいと言うより、資料がただ多いと言う感じです。むしろ、細かい知識はTBSではあまり問われないので、その点でいえばTBSの方が負担少ないです。そのため、MCの問題集で、ある程度解く力が身に付いていれば、TBSの問題も全然解けます。
なので、TBSはそこまで苦労はしませんでした。とは言っても、正答率は平均して7割くらいだったので、完璧な状態にはほど遠いです。
このTBSに関しては日本語で1周することはせずに、最初から英語で問題を解きました。資料が多い分のでMCより取っつきづらさはあるのですが、個人的にはMCの問題より楽しかったです。
と言うのも、色んな資料(取引先とのメールや、請求書など)を見ながら計算したり考えていくのですが、これが謎解きのようであり、ひらめきによるアハ体験を感じられるからです。
このTBSの問題集の1周には、約1ヶ月、およそ30時間くらいかかりました。
振り返りとアドバイス
MC問題には苦労しましたが、TBSはそこまででした。
この理由は、MC問題で地力をつけることができたからだと思います。
TBSを解けるようにするためにも、MCをしっかりやるのがおすすめです。
ここまでの経過
勉強時間:約110時間(約2ヶ月)
進捗:MC問題集の日本語での1周→英語での1周→TBSを英語で1周(政府会計と財務諸表分析など一部の論点は除く)
【2026年3月上旬】Uworldをスタート&ついに政府会計に手を出す
この時期にやったこと
CPA会計学院の問題集を1周終えたので、続いてはUWorldをやり始めました。
UWorldを簡単に言うと「アメリカ製のオンライン問題集」です。本試験と同じ使用感で、2,000問くらい問題があり、過去問や模擬試験もできるようになってます。
自分が実際にやったことは以下の通り。
- MC問題:3月上旬から3月下旬にかけて、1日約10問、合計330問くらい解いた
- TBS問題:3月下旬から4月上旬にかけて、合計25問くらい解いた
1ヶ月やりましたが、正答率はずっと7割くらいでした。成長してないとも言えるし、安定しているとも言える、なんとも言えない感じです笑(問題を解いても解いても新しい発見が常にあり、7割の壁を乗り越えることはできませんでした)
また、そろそろ模擬試験を受ける段階になったので、ようやくこのタイミング(3月下旬)で政府会計の勉強も開始しました。
政府会計は完全に初見の論点なので、とりあえずテキストを読みました。しかし、基礎知識がなさすぎて、読んでも何もわかりませんでした笑 そこで、CPA会計学院のMC問題集を解くこととし、問題演習を通じて、なんとか、解けるようになっていきました。
財務諸表分析もこのタイミングで手を出しました。ただ、公認会計士試験で習った内容ばかりなので、こちらは英単語を押さえるだけで済みました。
振り返りとアドバイス
何だかんだ言って、勉強において問題演習は正義です。UWorldガンガンやりましょう。
政府会計に手を出すのはすごく遅くなりましたが、これでよかったと思ってます。FARの政府会計は、似たような問題が多く、かつ、暗記論点なので、前もってやる必要はありません。
ただ、僕は講義を受けずに問題演習だけで頑張りましましたが、これは非効率だったと感じます。
政府会計は素直に講義を受けるのがおすすめです。
ここまでの経過
勉強時間:約150時間(約3ヶ月)
進捗:MC問題集の日本語での1周→英語での1周→TBSを英語で1周(政府会計と財務諸表分析など一部の論点は除く)→Uworld(MC330問、TBS25問)→政府会計
【2026年4月上旬】模擬試験
ついに模擬試験を受けました。
試験は、MC問題25問×2セット、TBS問題2,3問×3セット、計4時間のテストです(めちゃくちゃ長丁場!!)。そして、合格点は75点(満点は99点)。
受験の様子はYouTubeでライブ配信しました。(暇な方は見てみてください)
時間配分とかはあまりわからないまま受けたのですが、結果は、83点でした(n^o^)b
ここまで勉強してきて、解けるようにはなってるけど受かるのかな?と不安な気持ちがありましたが、ひと安心したのを覚えています。
ここまでの経過
勉強時間:約160時間(約3ヶ月半)
進捗:MC問題集の日本語での1周→英語での1周→TBSを英語で1周(政府会計と財務諸表分析など一部の論点は除く)→Uworld(MC330問、TBS25問)→政府会計→模試(83点)
【2026年4月上旬〜】受験日の決定&最後の詰め
模試で合格点を超えたこともあり、受験日を決定することにしました。
仕事など色々考慮した結果、受験日は1ヶ月後の5月上旬に決定。
残り1ヶ月何をしよう…
ここまでで問題演習(アウトプット)をたくさんしてきて、「ある程度、問題を解く力はついてきた」という実感がありました。
それならむしろ、「最後に詰めるべきはインプットだ」と判断し、最後にテキストを1周読むことにしました。
特にJ-GAAPとUS-GAAPの違いが大事なので、読んでいくなかで、差異がある部分をまとめていきました。
★補足★
CPA会計学院の教材には、J-GAAPとUS-GAAPの主要差異をまとめた教材があるので、実際には自分で作る必要はありません(知らなかった〜笑)。
ただ、さっきの英語の単語カードと同じで、自分で書き出すからこそ頭に入るという側面はあるので、やってよかったと思ってます(強がり)
こんなことをやっていたので、逆に、問題演習はほとんどやりませんでした(TBSを1問だけ。なぜ1問だけやったのかは謎)。模試が83点だったこもあり、完全に油断しており、勉強時間もかなり落ちました笑 これは受験生あるまじき行為だと反省してます。
そして4月26日、再度、模擬試験を受けました。
結果は77点。
問題演習不足から点数はかなり落ちてしまいました。
「ちょっとやばいな」という気持ちがありつつも、「いやそれでも75点超えられているから、最後詰めればきっと大丈夫だろう」と謎の自信がありました笑
この模試から、受験日までは約2週間。この期間は「問題演習だ!」と判断し、MC問題を200問解きました(1日10〜20問)。ちなみに、正答率は依然として7割くらいのままでした。
試験の直前に一番重点を置いたのは、政府会計。
政府会計は短期記憶で乗り切る戦略だったので、試験前日は政府会計しかやりませんでした。
ここまでの経過
勉強時間:約180時間(約4ヶ月半)
進捗:MC問題集の日本語での1周→英語での1周→TBSを英語で1周(政府会計と財務諸表分析など一部の論点は除く)→Uworld(MC330問、TBS25問)→政府会計→模試(83点)→テキスト1周→模試(77点)→Uworld(MC200問)→政府会計
【5月上旬】試験当日と結果
ついに受験当日。
電卓は会場で借りるのですが、事前情報ではカシオ一択と聞いており、結構不安でした。
(自分が愛用しているのはSHARP。ボタン配置も違ければ、操作方法も全然違うのです!!!)
ただ、いざ会場に付いてみると、キャノンとカシオから選べました。
SHARPが選べないのは残念でしたが、実はSHARPとキャノンのボタン配置はほとんど同じなので、迷わずキャノンを選択。普段とあまり変わらない打ち心地で試験に臨めたのは嬉しい誤算でした。
そして、いざ本試験。
解ける問題もあれば、解けない問題もあり。模試より時間がかかってるかも?と感じたり。途中お腹が空き過ぎてお腹がぐ〜っとなったり(周りの方には、迷惑かけました…)。途中で休憩が取れるのですが、集中が切れるのが嫌だったので、あえてそれ取らなかったり。
なんやかんやで4時間乗り切りました。
終わった後の感想としては、模試と同じような手応えだったので、「絶対の自信はないけど、たぶん大丈夫かな」という感じ。
合格発表までは約2週間。
ちょっとドキドキしつつも、気にしてもしょうがないので、毎日を平常運転。
そして、合格発表。
結果は、無事合格🎉
点数は82点でした。
合格発表の様子はこちら。
以上がFAR合格までの過程です。
最後に
US CPAは、間違いなく自分の可能性やキャリアの幅を世界へ大きく広げてくれる資格です。
今回FARに合格して感じたのは、
「公認会計士試験の合格者や、簿記1級の合格者(勉強経験者)にとって、これほどアドバンテージを活かせる資格はない」
ということです。知識の貯金がある分、圧倒的に有利なスタートラインに立っているのです。
確かに英語という高い壁はあります。しかし、試験問題のレベルはそれほど高くないので、会計の土台さえあれば、あとは「英語の慣れ」の勝負に持ち込むことができます。僕自身、最初の1ヶ月は絶望の連続でしたが、気づいたら解けるくらいには力がついていました。FARの勉強を通じて、英語への苦手意識・コンプレックスがなくなったというのは、地味に大きな副産物です。
J-GAAPを勉強した皆さんが「英語」という翼を手に入れたら、まさに鬼に金棒です。
キャリアの選択肢を広げたい、グローバルに活躍したいと考えている方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。僕も全科目合格に向けて頑張りますので、一緒に頑張りましょう!
CPA会計学院のU.S.CPA講座について詳しい知りたい方はこちら→U.S.CPA講座
最終結果
勉強時間:約180時間(約4ヶ月半)
進捗:MC問題集の日本語での1周→英語での1周→TBSを英語で1周(政府会計と財務諸表分析など一部の論点は除く)→Uworld(MC330問、TBS25問)→政府会計→模試(83点)→テキスト1周→模試(77点)→Uworld(MC200問)→政府会計→本試験(82点)





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