突然ですが、勉強法に興味はありますか?
特に、会計士試験は、「初めての勉強」で、「試験範囲が広く」、かつ「難しい」と三拍子そろっているので、
勉強法は気にならない!
なんて人はいないと思います。
ほんとは気になる…!勉強法を教えてほしい!
という方が多いでしょう。
実際、この仕事をしていると、勉強法の相談を受けることは非常に多いです。
この会計ノーツにも勉強法の記事をたくさんあげてきました。
また、本サイトだけでなく、
- 専門学校のガイダンス、
- 書籍、
- SNS、
- おじさんのおせっかい
など、世の中には多くの勉強法があふれています。
誰がおせっかいじゃ
こんだけ勉強法に関する情報があふれているにも関わらず、勉強法に悩んでいる方が多いのも事実です。
今回はそんな勉強法に悩めるあなたに、1つの処方箋を示そうと思います。
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適切な勉強法を知り、それを参考にすることは合格に向けてすごく大切です。
でも、勉強法の使用法(受け止め方)には注意が必要です。
なぜなら、使い方によっては、勉強法はマイナスの影響を及ぼすからです。
基本的に勉強法は、
- ○○○した方がいい
- △△△はしない方がいい
という感じで単純化されています。
例えば、次のような感じ。
- 復習は、理解し解けるようになるまでしっかりやるべき
- 講義は、日程表から遅れないように進めるべき
どちらもまっとうなアドバイスなので、これを徹底すれば合格に近づきそうです。
実際その通りなのですが、しかし、このアドバイスを真に受けすぎるとどうなるか。。。
・・・
なんと、合格に近づけなくなります。
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例えば、「復習は、理解し解けるようになるまでしっかりやるべき」については、
- 「理解できた」の判定がそもそも難しく、かつ、完璧な理解はそもそも不可能
- 「今日解けたとしても明日には忘れている」ことも多い
だとすると、理解し解ける状態になるためには、何十回も反復しなければいけない…
となります。当然、こんなことをやっていれば、日程表通りに受講はできません。
日程表から遅れないためには、ある程度の段階で復習に見切りをつける必要があります。
つまり、
- 復習を重視すれば、日程表通りの受講は難しくなり
- 日程表を重視すれば、完璧な復習はできない
というジレンマを抱えているのです。
このため、アドバイスを真に受け、それを愚直に実践しようとするほど、沼にはまってしまい、結果的に何もできなくなるのです。
これは勉強法のアドバイス全般にいえることです。
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ではどうしたらいいのでしょうか?
それは、
「その勉強法の背景にある考え方(趣旨)をくみ取り、自分自身に当てはめてみること。」
です。
以下、簡単に解説します。
①その勉強法の背景にある考え方をくみ取る
勉強法のアドバイスの背景には、考え方や前提があります。
例えば、「復習は、理解し解けるようになるまでしっかりやるべき」の背景には、
- 復習そっちのけで講義を進めてしまうと、取り返しがつかなくなる。
- やり方を丸暗記するような勉強法では応用力は身につかない。
- 「解答みればわかる」と「自力で解ける」には大きな乖離があるから「解ける」を目指すべき。
などなど、、、勉強する上で大事な考え方・前提が隠れています。
このような背景をくみ取ることが重要です。
②自分自身に当てはめる
勉強法は、ある程度一般論で語られます。
ガイダンスや書籍はもちろんのこと、個別相談でのアドバイスも同じです。
(個別相談であっても、講師と受講生は別人格であり、講師は受講生を100%理解することはできないため)
その一般論の勉強法が、あなた自身の状況に適合するかどうかはわかりません。
そのため、1意見としてアドバイスを聞いた上で、それを咀嚼し、自分自身に合っているかどうか考える必要があるのです。
例えば、「復習は5回やりましょう」とアドバイス。
「5回で十分か否か(もしくは5回も必要か)。そもそも時間的に可能か」は人それぞれです。「習った内容を身につけることが大事。そのためにはある程度の反復回数が必要」という背景をくみ取ったうえで、あとは自分の状況に合わせて復習することが重要なのです。
もしその結果、「Aという論点は3回の復習で済んだ」、「Bは10回必要だった」となったとしても、それはそれでOKです。「アドバイスの"5回"とは違う回数だけど大丈夫かな」なんて悩む必要はありません。
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このように、背景を理解し、自分自身に当てはめることができれば、「理解重視の勉強法」と「日程表重視の勉強法」といった相反するアドバイスを両立させることができるようになります。
なぜなら、趣旨がわかっているので「最低限これくらいまでは復習すべきだな」、「最悪1週間分遅れても大丈夫そうだな」と、自分に合ったバランスを考えられるようになるからです。
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「理解したうえで解けるように」や「5回やりましょう」のように、勉強法は程度の差はあれ、単純化された形で提供されます。
しかし、実際の勉強という行為は、そんな単純ではありません。
にも関わらず、アドバイスの表層だけを受け取ってしまうと、勉強がうまくいかなくなります。
「アドバイスを受けたけど結局どうすればいいかわからない」や、「アドバイスを受けて逆に混乱してしまった」という場合は、背景をくみ取り自分自身に当てはめてみるようにしてみてください。
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・・・
と、言われると
背景をくみ取って自分に当てはめる…そんなの難しい…
と、複雑に考えてしまい、かえって混乱してしまう方もいるかもしれません。
しかし、そんな必要はありません。単純に考えてしまってOKです。
- まずは素直にアドバイスを聞いてみる。
- そして、それを実践してみる。
- その結果、順調にいってる感じがするなら継続し、そうじゃないならやり方を変えてみる。
これでOKです。
最初から正しい勉強法を実践することはできません。
勉強法というのは、「勉強していくなかで、試行錯誤しながら適宜修正し、だんだんと自分に合うものが身についてくる」ものなのです。
まずはシンプルに実践してみよう、という発想を持ちましょう。
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最後に、本記事の主張をまとめておきます。
- 勉強法は単純化されてるけど、そんな単純じゃないから、趣旨を理解して採り入れてみる。
- でも難しく考えすぎず、まずはシンプルに実践し、勉強しながらより良いやり方を見つけ出していく。
以上です。
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あ、1つ言い忘れてました。
この記事自体も勉強法の1つなので、趣旨を理解したうえで採り入れるようにしてくださいね。
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