本日、令和2年公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験の合格発表がありました。
試験の概要と所感について書いておきます。
合格発表の概要
- 願書提出者数:9,393人(うち欠席者2,148人)
- 合格者数:1,139名
- 合格ボーダー:57%
- 実質合格率:15.7%※
(※欠席者を除いた合格率)
合格された方、おめでとうございます!
近年で最も難しい試験だった
朝9時から校舎にスタンバイして発表時刻を待っていたのですが、まさかの合格ボーダーは60%切りの57%でしたね。
ボーダーが下がった分だけ「合格しました!」という嬉しい報告も多数あり、個人的には驚きよりもホッとした気持ちの方が大きい発表でした。
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今回の試験は自分の知る限り、合格ボーダーが歴代で一番低い試験となりました。
近年で最も難しかったと言えるのは平成27年第Ⅰ回の短答(2014年12月実施の短答)です。
その試験の合格ボーダーは60%でしたが、今回はそれを大きく下回っています。
平成27年第Ⅰ回(H27Ⅰ)と今回の令和2年第Ⅰ回(R02Ⅰ)を簡単に比較してみると以下のようになります。
H27Ⅰ | R02Ⅰ | |
---|---|---|
合格ボーダー | 60% | 57% |
実質受験者数 | 5,548人 | 7,245人 |
合格者数 | 883人 | 1,139名 |
実質合格率 | 15.9% | 15.7% |
実質受験者数(欠席者を除いた受験者数)が1,700人違う結果、合格者数は256人も違います。
しかし、実質合格率はほとんど同じになっています。
H27年以降の第Ⅰ回短答の合格率をみてみると、
試験 | 合格率 |
---|---|
H27Ⅰ | 15.7% |
H28Ⅰ | 15.8% |
H29Ⅰ | 19.8% |
H30Ⅰ | 16.6% |
R01Ⅰ | 16.6% |
R02Ⅰ | 15.7% |
このように、実質合格率は16%前後で推移していることがわかります。
相対試験であるため、「難易度に応じてボーダーも上下させ、合格率は一定水準を維持する」という方針であることがわかります。
(国家試験である以上、望ましい方針かなと思います。)
つまり、「ボーダー=試験の難易度」となるため、今回の試験は間違いなく近年の試験で一番難しい試験だったといえるでしょう。
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今回の試験がこれだけ難しくなってしまった一番の原因は財務会計論です。
過去5年分の12月短答の財務の平均点は44.0%ですが、今回は33.8%で10%以上下がっています。
財務会計論は200点なので20点も平均点が下がったということですね。
財務会計論が難しかった理由としては、細かい論点が多く出題されたという点にあります。
今回のような細かい論点のオンパレードは、近年の試験ではありませんでした。
この傾向が続くかわかりませんが、次の短答式試験を受けるに当たっては、ある程度そのような論点もおさえる必要があるでしょう。
最後に
今回合格した方がいる一方で、残念な結果になってしまった方もいらっしゃいます。
ただし、どういう結果であっても「今年の8月論文に向けて勉強する」ということは同じです。
無事に合格できた方は確実に8月受かるために、そうでない方は絶対に5月8月で合格できるように、頑張ってほしいと思います!
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