🎍2020年もよろしくお願いします🎍

子会社にその他の包括利益がある場合の一部売却において、純資産の増加額は二重計上になる?

会計QA 論点解説
このノーツを書いた人
nobo(登川雄太)

CPA会計学院で公認会計士講座の講師をしています。会計が大好きで、どうすればわかりやすく教えられるかを日々考えています。会計を学ぶ人の悩みをゼロにするのが目標です。
(略歴)
慶應義塾高校→慶應義塾大学→在学中に公認会計士試験と日商簿記1級に合格→監査法人トーマツ→現職&会計ノーツ開設

\更新情報を受け取る/
子会社にその他の包括利益累計額(AOCI)がある場合の一部売却に関する質問です。
売却部分に係るAOCIは非支配株主持分の増加と資本剰余金の増加の2つに含まれるので、純資産の増加額は二重計上になっていませんか?

 

二重計上になりません。
解説

問題の所在

子会社にその他の包括利益累計額(その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定など、以下AOCI)がある場合、売却部分に係るAOCIは非支配株主持分に振り替えます

また、AOCIは連結上の売却原価(売却持分)に含まれないため、一部売却による資本剰余金の増加額は売却部分に係るAOCIの金額だけ増加することになります。

この点に注目すると、売却部分に係るACOIは、非支配株主持分の増加と資本剰余金の増加の両方に含まれるため、純資産の増加額が2倍(二重計上)になっているように思えてしまいます。

確かに…

 

二重計上にはならない理由

しかし、実際には違います。これを紐解く鍵は個別上の仕訳にあります。
個別上では取得原価ベースで売却原価を計算する結果、個別上の売却益には売却部分に係るAOCIに相当する額が含まれることになります。

この売却益は連結修正仕訳で資本剰余金に振り替えられます。つまり、資本剰余金の相手勘定は利益剰余金であり、純資産全体で見ればプラスマイナスゼロなのです。

以上をまとめると

  • 売却部分に係るAOCIは非支配株主持分に振り替える。(AOCIの減少と非支配株主持分の増加→純資産はプラスマイナスゼロ)
  • 売却益(利益剰余金)を資本剰余金に振り替える。(利益剰余金の減少と資本剰余金の増加→純資産はプラスマイナスゼロ)

となり、非支配株主持分の増加も資本剰余金の増加も純資産内での振り替えとなるため二重計上にはなっていません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました