お金を借りた際の仕訳は
となり、借入金勘定の貸方に計上されます。
逆に、お金を貸した場合は、貸付金勘定の借方に計上されます。
借りたのに貸方…、貸したのに借方…
逆に思えますが実は理由があります。
そこで今回は、借方と貸方の意味について解説をします!
人名勘定による記録
その昔(中世)、お金を借りたときは「借入金」ではなくいわゆる人名勘定で記録していました。
人名勘定とは取引相手の名前をそのまま勘定科目にしたものです。
例えば、A社からお金を借りた場合は、
ではなく
このように、「A社」という取引相手の名前を勘定科目にします。
このため、A社からの借金は下記のように「A社」勘定に記録されることになります。
人名勘定を主語にして読む
では、なぜ右側を貸方と言うのでしょうか?
それは・・・
A社を主語にして読む
からです。
つまり、
「A社から借りた」ではなく、
「A社が貸した」と捉えるのです。
A社を主語にして「A社」勘定を見てみると…



逆にA社にお金を貸した場合には、
となり、これはA社がお金を借りていると捉えるため、借方が左になるのです。
まとめ
本記事は以上です。
・人名勘定による記録
・取引相手を主語にする
という2点から考えることで、借方と貸方の意味が見えてきます。
現在においては、人名勘定ではなく「借入金」勘定を使います。
そしてその意味は返済する義務であり、主語は当社です。
なので、貸し方という名称と直感的なイメージが真逆になってしまっているのです。
借方と貸方を英語でいうと
英語では
借方:debitor(略称Dr.)
貸方:creditor(略称Cr)
と言います。
debitorは債務者(借りた人)、
creditorは債権者(貸した人)
という意味です。
英語ベースでも「左」は「借」、「右」は「貸」になっています。

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