借入金はなぜ貸方に計上される?借方が左で貸方が右の理由!

お金を借りた際の仕訳は

借方科目金額貸方科目金額
現金××借入金××

となり、借入金勘定の貸方に計上されます。

逆に、お金を貸した場合は、貸付金勘定の借方に計上されます。

借りたのに貸方…、貸したのに借方…

逆に思えますが実は理由があります。

そこで今回は、借方と貸方の意味について解説をします!

目次

人名勘定による記録

その昔(中世)、お金を借りたときは「借入金」ではなくいわゆる人名勘定で記録していました。

人名勘定とは取引相手の名前をそのまま勘定科目にしたものです。

例えば、A社からお金を借りた場合は、

借方科目金額貸方科目金額
現金100借入金100

ではなく

借方科目金額貸方科目金額
現金100A社100

このように、「A社」という取引相手の名前を勘定科目にします。

 ▼

このため、A社からの借金は下記のように「A社」勘定に記録されることになります。

人名勘定を主語にして読む

では、なぜ右側を貸方と言うのでしょうか?

それは・・・

A社を主語にして読む

からです。

つまり、

「A社から借りた」ではなく、

「A社が貸した」と捉えるのです。

A社を主語にして「A社」勘定を見てみると…

ボブ(勉強中)

A社が「貸した」金額が「右側」にある!

おじさん(先生)

そうじゃ。だから「貸方」が「右側」を意味するのじゃ

ボブ(勉強中)

なるほど!

逆にA社にお金を貸した場合には、

借方科目金額貸方科目金額
A社100現金100

となり、これはA社がお金を借りていると捉えるため、借方が左になるのです。

まとめ

本記事は以上です。

・人名勘定による記録

・取引相手を主語にする

という2点から考えることで、借方と貸方の意味が見えてきます。

 ▼

現在においては、人名勘定ではなく「借入金」勘定を使います。

そしてその意味は返済する義務であり、主語は当社です。

なので、貸し方という名称と直感的なイメージが真逆になってしまっているのです。

参考

借方と貸方を英語でいうと

英語では

借方:debitor(略称Dr.)
貸方:creditor(略称Cr)

と言います。

debitorは債務者(借りた人)、
creditorは債権者(貸した人)

という意味です。

英語ベースでも「左」は「借」、「右」は「貸」になっています。

おじさん(先生)

むしろ英語のDr・Crを翻訳して借方・貸方という表現にしたんじゃ

今回のまとめ

おまけ

おじさん(先生)

この記事はわかりやすかったかの?

ボブ(勉強中)

うん!もっと会計のこと学んでみたいな!

おじさん(先生)

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