こんにちは!
今回は加重平均についてわかりやすく解説をします!
まずは単純平均
テストの平均点を求めよう!
加重平均を理解するポイントは、単純平均と比較するです。
そこで、まずは単純平均から確認しましょう。
- 生徒100人がテストを受けた
- 結果は下記の通りだった。
- 上位10人の平均点が5点
- それ以外の90人の平均点が2点
▼
では、今回のテストの平均点は?
(100人の全体の平均点は?)
解答
テストの平均点は「2.3点」
解説
- 点数合計:10人×5点+90人×2点=230点
- 人数合計:10人+90人=100人
- 平均点:230点/100人=2.3点
うんうん。これは特に難しくないぞ!
2グループに分けたら平均点はどうなる?
では、テストの結果に基づき2つのグループに分けてみましょう。
先ほどの結果について、
- 平均点が低い90人の方をAグループ
- 平均点が高い10人の方をBグループ
と2グループに分けてみるとします。
グループ別の平均点は次のようになります。
Aグループの平均点:2点
Bグループの平均点:5点
では問題です!
この2グループの平均点は?
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3.5点!計算式は、(2点+5点)÷2で3.5点!
単純平均では実態を表さない
確かにボブのように計算すれば3.5点になりますね。
ですが、さっき最初に計算した平均点は2.3点でした。
「グループに分けたら平均点が上がる」というのはおかしい話ですね。ただグループに分けただけで、生徒の点数は何も変わってないのですから。
つまり、グループに分けた場合の平均点3.5点は、テスト結果の実態を表してないことがわかります。
では、なぜ今回の平均点が実態を表さなくなってしまったのかというと、
それは、
グループごとの重さを加味してないから
です。
重さ?
ここでいう重さというのは、AグループとBグループの中にいる人数です。
Aグループ(平均2点):90人
Bグループ(平均5点):10人
このように、AグループとBグループは所属している人数が全然違います。
Aの方が人数が圧倒的に多いので、Aの方が重いと言えます。
ここでの「重い」というのは、物理的に重いのではなく、Aに偏ってるという意味です。
Aに偏ってるということは平均点に与える影響はAの方が大きくないといけません。
別の言い方をするなら、平均点は2点に近づくべきということです。
先ほどの、
(2点+5点)÷2
という計算式ではAとBを同等に扱っており、Aの方が重いということが加味できていません。
そこで、加重平均を用います。
加重平均では重さを加味する
そこで下記のようにします。
2点×90人/100人+5点×10人/100人=2.3点
さっきよりもだいぶ複雑になりましたが、この計算式で加重平均を算定しています。
あ、計算結果が2.3になってる!
そうなんです、加重平均を用いれば適切な平均を算定できるのです。
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さっきは(2点+5点)÷2としていたところが、
2点×90人/100人+5点×10人/100人
と大きく変わりましたね。
ポイントは、「×90/100」と「×10/100」の部分です。
- ×90/100で、Aグループは総数100人のうち90人占めている
- ×10/100で、Bグループは10人しか占めていない
という状況を計算結果に反映させているのです。
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このように、加重平均では単純に平均をとるのではなく、重さ(総量に占める割合)を考慮して算定します。
上記の例では加重平均を用いることで、Aが平均点に与える影響を大きすることができました。
(単純平均3.5よりも加重平均2.3と、Aの平均2に近づいた)
資産除去債務で加重平均を使ってみよう
資産除去債務の具体例
ときおり財務会計では加重平均が出てきます。
例えば資産除去債務です。
- X0年度末に2年後に除去する建物を取得した
- X0年度末に除去費用を9,000円と見積もった(割引率2%)
- X1年度末に見積りを1,000円増加させ、10,000円とした(割引率5%)
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X1年度末の資産除去債務は?
(加重平均は気にせず普通に計算してみて下さい)
解答・解説
除去費用10,000円のうち、9,000円は2%、1,000円は5%で割り引いたものが資産除去債務になります。
よって、次のように計算されます。
計算式:9,000÷1.02+1,000÷1.05≒9,776
この9,776がX1年度末の資産除去債務です。
追加の問題
この9,776は10,000円を2%と5%で割り引いたものですが、、、
続いて問題!
では9,776は、平均すると10,000円を何%で割り引いたものでしょうか?
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答えは、、、
(2%+5%)÷2=3.5%!
おっと、それは単純平均なので、重さが加味されていません。
10,000円のうち2%で割り引いた金額の方が多い(9,000円)のだから、2%にもっと寄らないといけないですよね。
そこで加重平均です。
加重平均:2%×9,000/10,000+5%×1,000/10,000=2.3%
このように総額10,000円に占める割合をもとに計算することで、2%に寄った割引率を計算できました。
試しに、加重平均した2.3%を使って資産除去債務を計算してみると、
除去費用総額10,000円÷1.023≒9,776※
(※端数ズレは調整)
このように先ほどの資産除去債務9,776が計算でき、適切な平均%を算定できたことがわかります。
最後に
どうでしょうか?イメージできましたか?
加重平均自体は会計の特有の論点ではありません。
しかし、加重平均を使う場面は、会計ではよく出てきます。
(ちなみに、移動平均法も加重平均と同じ考え方による算式です。え?という方は考えてみましょう)
今回の記事で加重平均をマスターできれば幸いです。
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