会計と簿記の違いはなんだろう?〜違いがわかると簿記が得意になる!

会計(特に、財務会計)と簿記の違いってなんなのでしょう。

意外とわからない方、もしくは、考えたこともなかったという方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はその点を解説します。

実は、会計と簿記の違いが明確になると、簿記の勉強が上手になります
その点も合わせて解説するのでお楽しみに!

目次

会計について

会計とは

会計を英語にするとAccountingといいます。
accountとは説明する(報告する)という意味です。

つまり、会計の本質は「報告すること」です。
具体的に何を報告するのかというと、会社の財産の状態や儲けの状況、つまり会社の成績を報告することになります。

会計の考え方

会計が何かをわかったうえで、続いて会計を学ぶとは何かを考えてみます。
結論から言うと、会計を学ぶというのは「どう報告するかを学ぶこと」になります。

具体例を出しましょう。

■会社の取引
商品100万円を掛けで売り上げた。(代金は1ヶ月後にもらう)

この取引をどう報告するか考えて見てください。

 ▼

この場合の報告の仕方は2つ考えられます。

報告方法①
100万円分売った!だから儲かった!

報告方法②
お金をまだもらってないから儲かってない!

 ▼

さて、どっちが正解でしょうか!?

実は会計的にはどちらも正解です。
つまり、どちらも一理ある考え方なのです。

ただその上で、どちらの考え方を採用するかはルールとして決まっています

実際には、(様々な理由により)1の考え方が採用されています。
つまり、お金をもらえてなくても儲かったことにするという考え方を採用しています。

会計を学ぶとは

以上をまとめると、会計は以下の3点を学ぶことということがわかります。

  1. どういう報告方法(考え方)があるのか
  2. 現行制度上は、どちらが採用されているのか(どういう財務諸表が正しいのか)
  3. それはなぜなのか

簿記について

簿記とは

続いて簿記を考えてみます。
簿記を英語にするとBookkeepingです。ここでいうBookとは帳簿(記録をつけるためのノート)を意味しています。
つまり、簿記とは帳簿への記録とその方法のことになります。

簿記の考え方

簿記が何かが明確になれば、簿記では何を学ぶかがわかります。
簿記を学ぶというのは「どう記録するかを学ぶこと」なのです。

先ほどと同じ具体例を出します。

■会社の取引
商品100万円を掛けで売り上げた。(代金は1ヶ月後にもらう)

簿記ではこの取引を次のように記録します。

記録(仕訳)
(借方)売掛金100万円(貸方)売上100万円

簿記を勉強すればわかりますが、簿記の特徴は取引を2つに分けて記録するというところです。
2つにわけて記録することで、貸借対照表と損益計算書という2つの財務諸表を同時に作成できる仕組みになっています。

簿記を学ぶとは

簿記は以下の3点を学ぶことということになります。

  1. 記録の方法(主に仕訳)
  2. 記録を集計・計算する方法
  3. 財務諸表を作成するまでの流れ

両者の関係とそこから分かる簿記を得意にする勉強法

会計と簿記の関係

会計は、正しい財務諸表はなんなのか?ということを学習する学問です。
簿記は、正しい財務諸表を作成するための技術・手続きを学習する学問です。

これらは別の概念ではありますが、表裏一体です。

しかし、「正しい財務諸表の作成方法を学ぶのが簿記である」ということは、「正しい財務諸表」という概念なくして「簿記」はありえません。

つまり、「会計」ありきの「簿記」なのです。

簿記から学習する理由

「会計」ありきの「簿記」であるなら、会計が先、簿記が後という順番になりそうです。
本来は会計がわかるからこそ、簿記がわかるはずです。

しかし通常は、先に会計学から勉強することは少なく、多くの場合にはまず簿記から勉強します。

これには理由があります。

それは、会計の考え方を直感的に理解するためには、簿記を学習し財務諸表のイメージをつける必要があるからです。

簿記を得意にする勉強法

このように考えていくと簿記を得意にする勉強法がわかります。

簿記を得意にするには、会計の考え方を意識して勉強することが重要なのです!

先ほど、掛け売上の具体例を出しました。
簿記で掛け売上の仕訳を学習する際に、単に仕訳をおさえるだけでなく、「代金もらってなくても、商品を渡したなら売れたことにしていいのか!」と、会計の考え方まで思いを巡らせる。

これが簿記を得意にするコツです。

 ▼

どうしても簿記の学習は仕訳中心になってしまうため、会計の考え方を意識することは少なくなりがちです。

その行く末は暗記頼りの勉強であり、簿記苦手街道まっしぐらです。

「簿記って、財務諸表の作り方を覚えるだけでしょ」というネガティブな意見を耳にすることもあります。

しかし、本来は会計ありきの簿記であり、会計なき簿記はありえません。

つまり、簿記は作り方を覚えるだけの勉強では決してないのです。簿記は理解が必須の科目です。

会計の考え方を理解することは、簿記を得意にする上でとても大切なことなのです。

最後に

会計の考え方を意識しながら簿記を勉強することは簡単なことではありません。

それでも、今回の内容を頭の片隅に入れておくだけでも簿記のテキストの見え方が変わってくるはずです。

考え方がわかれば簿記はよく理解することができ、簿記の勉強が非常に面白くなることでしょう!

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 おまけ 

おじさん(先生)

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コメント

コメント一覧 (4件)

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    • 2級合格おめでとうございます(n^o^)b🎉
      会計が好きになったというのはすごく嬉しいです!
      1級合格に向けて頑張ってください!

      • 以前登川講師のおかげで簿記が好きになったとコメントしたものです。
        その後社内で簿記2級を取得したことを事務員さんに話したら、本社経理で人材を募集しているとの話を聞き、志願し、10月より経理に移動になりました!!
        念願の会計の現場に配属され、充実した日々を送っております。
        登川講師の講義に出会い人生が変わりました(^^)
        ありがとうございました!!
        1級の講義も素晴らしかったです!!

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