おすすめ書籍の紹介「本屋、はじめました新刊書店Titleの冒険」

先週読んだ本が非常によい本だったのでご紹介。

ズバリ、そのタイトルは「本屋、はじめました 新刊書店Titleの冒険(筑摩書房)」

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タイトルのとおり、本書は「本屋を始めるまでの過程と、その後の経過」が綴られた本である。

ほとんどの方は、本屋を始める気なんてないと思う。しかし、それを理由に本書を読まないのはもったいなさすぎる。むしろそれなら、「この本読むために、まず本屋始めてみてよ!」と言いたいくらいの良書だった。

というわけで、ここ最近読んだ本の中でもトップクラスによい本だったので、今回ご紹介しようと思う。

本を勧めるにあたっては色々な角度があるけれど、当サイトは「会計ノーツ」。
ということで、「会計学習者にとって、どうおすすめなのか」という観点から紹介しようと思う。

目次

おすすめPoint①独立開業の手引き書として

会計を勉強している人の中には、将来的に独立したいと考えている人は多いのではないだろうか。
また、自分自身が独立しないにしても、会計を生業にすると、独立している人と仕事する場面は自然と多くなる。

つまり、いずれにしても会計の勉強をしたその先では、「独立開業」がすごく身近なものになるということだ。
そうであるなら、独立開業について具体的イメージを持つことは、大きなプラスになるはずである。

では、どうすればその具体的なイメージを持てるのだろうか?

その1つの方策が、本書を読むことだ。

独立開業のハウツー本は世の中にたくさんあるが、本書は普通のハウツー本とは一線を画している。

著者は元々、大型書店の書店員であり、そこを退職し独立を決めるのだけど、

  • 書店員時代の働き方(それが将来どう独立につながるのか)
  • 退職後、開業するまでどのような経緯をたどったのか
  • 開業後、店舗運営はどんな感じなのか

など、各エピソードが時系列で語られ、その中で、その時々の想い、意思決定の判断基準、理想と現実(特に資金面)のバランスの取り方などが綴られているのである。

岸辺露伴先生も納得するほどの圧倒的リアリティ。

リアリティだよ!リアリティこそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり、リアリティこそがエンターテイメントなのさ

岸辺露伴(ジョジョの奇妙な冒険 第4部)

例えば、物件選び1つとっても、なかなか一筋縄にはいかない。

そもそもどのエリアで開業すべきなのか?独自の文化がある鎌倉…?自然豊かな地方…?それとも東京…?やっぱり駅近が理想…?また、エリアが決まったとしても、よい物件なんてそうそう巡り会えない。

そもそもよい物件とはどんな物件?

などなど、物件を選ぶだけでも苦労・悩みが絶えない。その一部始終が、著者の想いと共に書かれており、このエピソードに限らず、全ページが心に刺さる。

ちなみに、最終的には東京・荻窪にある木造の古民家に決めるのだけど、そこではこのような一文がある。

この建物は確かに古いのですが、その古さはお金では買えません。時間が経った建物の存在感は、中に置く本の価値を高めてくれるだろうと思いました。

・・・

これは、まさしく自己創設のれん・・・!

「自己創設のれんが大きい物件を選ぶのがポイント」なのだと学びました笑

おすすめPoint②事業計画書や決算書が掲載されている

本書最後の約15ページは必見。

なんと、そこには実際の事業計画書や決算書が掲載されているのである。ニュースでよく見かける調査文書のように、肝心な情報が黒塗りされているということもない(これ→■■■)。売上から利益まで、すべてを包み隠さずさらけ出してくれているのである。溢れんばかりのディスクロージャー精神。

ちなみに本書は「決算書の読み方」的な書籍ではないので、決算書自体の解説は当然ない。ただ、比較的シンプルな損益計算書なので、10分見ているだけでも、売上高の構成比(書籍とカフェ割合)やそれぞれの利益率など、多くのことを発見できると思う。

情報化が進んだ現代においても、このような生の情報は世の中になかなか出ないものであり、どんなにお金を出しても買えない超貴重な情報だ。それがなんと、1,000円出せばお釣りがもらえるような価格で手に入るのである。

この情報だけでも、価格以上の価値があると感じた(つまり、自己創設のれんが高い本!)。

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おすすめPoint③結果を出すためのヒントが詰まってる

インターネットは、"結果"が目立つ世界であり、一方逆に、その"過程"を知る機会はあまりないように思える。

本書は、その過程が丁寧に書かれており、「結果だけを追い求めてはいけいない、結果を出すには過程が重要だ」ということを痛感させられる。

独立開業と勉強は、全く別のことのように感じるかもしれないけど、色々と共通点があると思っている。

  • 成功するかどうかがわからない点
  • 個人として結果を出す必要がある点
  • 様々な制約条件を考慮してベストな方策を選ばなきゃいけない点
  • スモールステップで日々積み重ねていく点

本書には、結果を出すための準備、持つべき心構え、自分との向き合い方など、学ぶべきことが多く書かれている。きっとこの学びは、勉強への取り組み方のヒントになるはずだ。

本書を読んで思い出したのは、ジョジョの奇妙な冒険第5部「黄金の風」で登場するあの名ゼリフ。

そうだな・・・わたしは『結果』だけを求めてはいない。 『結果』だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ・・・近道した時『真実』を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。

大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな・・・
違うかい?

アバッキオの同僚の警官

「本屋、はじめました」を紹介してたら、ジョジョを紹介していた…
というわけで、本書を読んだら、ジョジョを読もう。

最後に

色々と書いてきたけど、本書は会計学習中かどうか関係なく、いい本です。

少しでも興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてほしい。(ちなみに、今後も本書のような、「会計本じゃないけど、会計勉強中の方におすすめできる本(なんかいい略語ないかな笑)」を紹介していこうと思っている)

あ、最後に1つだけ注意点。

本記事の冒頭で「本屋はじめる気がなくてもOK」的なことを書いたけど、逆に「本屋をやってみたい」と思ってる方はご注意を。
本書を読んでわかるのは、「本屋の開業はすごく大変。それを軌道に乗せるのもすごく大変」ということ。生半可な気持ちで本屋は始められないという事実を突きつけられる。かく言う僕も、「将来は、本屋やるのもありだなぁ」と前々から思っていたのであるが、その気持ちは封印することにしました笑

ちなみに、本書を知ったきっかけはYouTubeの「積ん読ちゃんねる」。本が好きな方におすすめのチャンネルなので、ぜひチェックしてみてください。

 おまけ 

おじさん(先生)

この記事はためになったかの?

ボブ(勉強中)

うん!もっと会計のこと学んでみたいな!

おじさん(先生)

それなら、会計ノーツの書籍を読むのじゃ!

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