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簿記3級の試験に加わった電子記録債権!メリットあるけど普及はまだこれから

論点解説

日商簿記検定の試験範囲の改定に伴い、簿記3級の試験範囲として新たに「電子記録債権・電子記録債務」が加わりました

今回はその趣旨と電子記録債権の利用実態について解説をします。

電子記録債権のメリット

電子記録債権(以下、「でんさい」)を簡単に言うと、従来の紙の「手形」をネット上で記録管理しようというものです。

「紙のお札」が「電子マネー」に移行しているのと同じですね。

従来簿記2級の試験範囲だった「でんさい」が簿記3級の試験範囲になったわけですが、商工会議所のWEBサイトにその趣旨が掲載されています。

電子記録債権・電子記録債務は、利便性や印紙税が不要といった理由から今後も利用件数が増えることが見込まれるため、2級から3級へ変更することとした。
商工会議所簿記検定試験出題区分表などの改定について(平成30年4月2日)

今後でんさいが一般的になるから、「でんさいの勉強する必要がある」ということですね。実際に「でんさい」には「手形」にはないメリットがあります。

\でんさいのメリット/

・印紙税の負担を回避できる!

「手形」の場合は印紙を貼る必要があるんじゃが、「でんさい」はその必要がないんじゃ。印紙は数百円から数千円くらいじゃが、塵も積もれば山となる。印紙が必要ないのはでんさいのメリットじゃな(参考:手形の印紙税|国税庁

・紛失や盗難のリスクがない!

「手形」は紙で「でんさい」は電子記録じゃ。「手形」は失くしたり盗まれるたりする可能性があるが、「でんさい」はその心配は不要じゃ

・債権を分割して譲渡することができる!

例えば額面10万円の「手形」を受け取った場合に「その内2万円だけ裏書きする」ということはできないんじゃ。でも「でんさい」は一部だけ譲渡することが可能じゃ

このようにでんさいにはメリットが多くありますが、手形と同じく「半年間に2回の不渡りを起こすと取引停止処分となり、事実上の倒産」に追い込まれますので、この点は注意が必要です、

不渡りってのは、お金がなくて払えなかったってことだよ

むしろ現金決済へ

でんさいにはメリットが色々ありますが、「手形」から「でんさい」への移行はそれほど上手く行っていないようです。

2017年「手形・でんさい」動向調査

こちらの記事によると、2017年において手形の流通量は374兆あるのに対し、でんさいは15兆程度なので、まだまだ「手形」の方が主流です。

また、それ以前に「手形→でんさい」という流れではなく「手形→現金決済」という流れになっているそうです。(確かに、ネットバンキングが普及した今は銀行振込はとても楽ですね)

このように普及に関して順調とは言えませんが、でんさい自体2013年に始まったばかりでまだ成長段階とも言えます。もしかしたら数年後には広く普及しているかもしれません。

最後に

でんさいに限った話ではないですが、「IT化するメリットがある」ということと「実際に普及すること」は別問題ですね。電子マネーもそうですし、あとはFAXなんかも。

その理由としてはスイッチングコスト(変更するのが面倒くさい)だけでなく、「自分本位では変更できない」ということがあるかなと思います。

でんさいの場合は「うちはでんさいにしたい!」と思っても、取引相手もそれに乗っかってくれないと「でんさいへの移行」はできません
そういう意味では、いわゆるキャズムを越えるまではまだまだでんさいの本格普及はなさそうです。

もしかしたら、簿記3級にでんさいが加わったことが、少しは普及の後押しになるかもしれません…!?

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会計ノーツ 編集長
nobo

会計ノーツ編集長のnoboです。普段はCPA会計学院で公認会計士講座の講師をしながら、会計の教え方を日々研究しています。
公認会計士試験、日商簿記1級に合格済みです。

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