

直前期に陥りやすい思考として
「点数を伸ばすために今まで手を付けていなかった論点に手を出したい」
というのがあります。実際に毎年色々な受講生からそのような相談を受けます。
結論からいうとおすすめしません。むしろ僕は手を広げない方が点数があがると思っています。(実際に多くの受講生が合格しています。)
今回はその理由について説明をします。
そもそも直前期にまだ手をつけてない論点というのは、
・重要性が低い(CPAでいう重要性C論点)
・論点が難しい(例えば、収益認識…笑)
の2点が理由だと思います。
このような論点を今から勉強することが点数を伸ばすことにつながるか、を考えましょう。
点を伸ばすことを考えるには、伸びていない原因を考えてみるのが有効です。
点が取れないというのは問題を間違えたということですが、間違える理由は2つに分けられます。
①解けたはずなのに間違えた
②そもそも解けない問題だった
①は解説みればすぐに「そうだった!」となるような問題です。②は勉強していない論点だったから、解けないのはしょうがないという問題です。
答練直後に

と思ってしまいがちです。
ただこの思考には2点問題があります。
問題点1:①をOKと油断している点
この油断は危険です。
「解説みればわかった」ではなく「解説みればわかる問題をなぜ本番で解けなかったのか?」という視点が大事だからです。
この視点を持つことができないと、今後どれだけ勉強時間とっても「解説みればわかった」状態からの脱却はできません。
問題点2:②について、重要性Cまで手を出していればその問題解けたはずという点
確かに「その論点がでる」とわかっていれば、それをやっていれば解けたかもしれません。
ただ、重要性C論点は数多くあります。仮にC論点が100論点あるとして、その中からたまたま今回その1問が出たに過ぎないのです。
ということは、その何がでるかわからない1問をとるために実際には100論点もおさえなくてはいけないのです。
つまりその論点やってればできたというのは結果論であって、その1問とるために必要な時間はもっともっと想像以上にあるのです。
以上をまとめると、点数を伸ばすには
①の「解けたはずなのに間違えた」という状態から「解けるべき問題がちゃんと解けた!」という状態にもっていくことが点数を伸ばす一番の近道
ということになります。
逆にC論点に手を広げると、そのための時間が削られてしまい、最悪の場合には「解けたはずなのに間違えた、が増える」ことにもなりかねません。
公認会計士試験は相対試験です。てことは、多くの受験生が解けない問題について自分も間違えたとしても痛手にはなりません。
重要性Cや難易度C論点の問題は、
・そもそも取れるようにするためコスパが非常に悪い
・解けなくても差は開かない
という2点を意識して直前期を勉強してほしいです。
この点を意識していただくと「手をだしていない論点やろうかな」ではなく「今までやってきた論点を固めよう」という発想になるでしょう。


重要性A・Bが固まっている(または固まりつつある)場合にはC論点まで手を出すのもありです。
ただこの場合、Cに気を取られてA・Bができなくなるということは避けるように注意しましょう。
⇒To Be Continued…!?
CPA会計学院 財務会計論講師
登川雄太
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