諸掛り(付随費用)の仕訳をマスターしよう(簿記3級)

こんにちは!

日商簿記3級の合格を目指している方のために、
図解を用いてわかりやすく解説します!

本記事のテーマは当社負担の「商品売買に伴う費用」です。
具体的には、下記の仕訳をマスターすることが目標です。

売上諸掛り

借方科目金額貸方科目金額
売掛金100売 上100
発送費10現 金10

仕入諸掛り

借方科目金額貸方科目金額
仕 入110買掛金100
現 金10

本記事は、CPAラーニング公式教科書であるいちばんわかる日商簿記3級の教科書をもとに作成しています。

目次

取引の概要|諸掛り(付随費用)とは

通常、商品の売買に伴い、運送料などの諸経費がかかります。

この諸経費を諸掛り(しょがかり)または付随費用(ふずいひよう)といいます。

諸掛り(付随費用)
商品の売買に伴って生じる諸経費のこと

ボブ(勉強中)

売上諸掛りと仕入諸掛りで区別してるね?

おじさん(先生)

そうなんじゃ。両者で会計処理が異なるから区別する必要があるんじゃ

ボブ(勉強中)

そうなんだ!一体、仕訳はどうなるの?

会計処理① |売上諸掛り

売上諸掛りは、

商品販売に伴う費用」

と考え、発送費勘定などを用いて費用処理します。

具体例

商品を100円で掛け販売した。なお、発送費10円を現金で支払った。

 ▼

借方科目金額貸方科目金額
売掛金100売 上100
発送費10現 金10
  • 売上諸掛り10円は発送費として独立した費用を計上する(仕訳の借方2行目)
ボブ(勉強中)

費用が生じたから、普通に費用を計上すればいいのか、簡単だ

おじさん(先生)

そのとおりじゃ。この仕訳は「100円で販売した」「販売のための費用が10円かかった」ことを意味しているんじゃ

売上諸掛りのよくある間違え

売上諸掛りに関して、次のような間違いがよくあります。

この仕訳は×

借方科目金額貸方科目金額
売掛金100売 上90
発送費10現 金10
  • 売上100円と発送費10円を相殺し、売上90円としてしまっている
おじさん(先生)

90円で販売したわけじゃないから、売上諸掛りは売上と相殺してはだめなんじゃ


会計処理②|仕入諸掛り(当社負担)

仕入諸掛りは、

「仕入勘定に含めて処理」

します。

具体例

商品100円を掛けで仕入れた。なお、発送費10円を現金で支払った。

 ▼

借方科目金額貸方科目金額
仕 入110買掛金100
現 金10
  • 仕入諸掛り10円は仕入勘定に含める(仕訳の借方)
ボブ(勉強中)

あれ、借方は「仕入100円、発送費10円」と2行に分けないの?

おじさん(先生)

仕入諸掛り10円は仕入に含めてしまうんじゃ。これは、「送料込みの金額110円で購入した」ことを意味しておる

ボブ(勉強中)

そっか、「別の費用が10円かかった」とは考えないのか。確かに、「商品を110円で買った」と考える方が自然だね

諸掛りの会計処理

売上諸掛り発送費勘定などを用いて、独立した費用を計上する
仕入諸掛り仕入勘定に含める

最後に(まとめ)

今回のまとめ!

諸掛りの会計処理

売上諸掛り発送費勘定などを用いて、独立した費用を計上する
仕入諸掛り仕入勘定に含める
具体例

売上諸掛り
商品を100円で掛け販売した。なお、発送費10円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
売掛金100売 上100
発送費10現 金10

仕入諸掛り
商品100円を掛けで仕入れた。なお、発送費10円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
仕 入110買掛金100
現 金10

先方負担の費用を立替払いした場合は、次の記事で解説します。

最後までありがとうございます。
本記事は以上です。

わからない部分がありましたら、コメント欄に記入してください。

なお、本記事はCPAラーニング公式教科書に準拠して作成しました。

CPAラーニングは簿記3級2級が無料で学習できるWEBサイトです。
教科書、動画、模擬試験といった合格に必要なコンテンツが全て揃っています

ぜひご利用ください♫

登川雄太(管理人)

講義は私が担当しています!
一緒に合格を目指しましょう!

\簿記検定の合格を目指すなら/

 おまけ 

おじさん(先生)

この記事はためになったかの?

ボブ(勉強中)

うん!もっと会計のこと学んでみたいな!

おじさん(先生)

それなら、会計ノーツの書籍を読むのじゃ!

\会計ノーツから生まれた本(2冊)/

体系的にしっかり学ぶなら

こんな人におすすめ!

  • 財務会計を体系的にしっかり学びたい
  • 公認会計士・税理士、簿記1級を勉強している
  • 他の基本書が難しくて挫折した

財務諸表の基礎から、企業会計原則、収益認識、減損、税効果、連結・企業結合などなど、財務会計の重要論点をわかりやすく、丁寧に解説してます。

ボブ(勉強中)

難関試験を目指す方は必読!

ライトに考え方を学ぶなら

こんな人におすすめ!

  • 身近な具体例で会計の考え方を理解したい
  • 簿記3級の勉強をもう1歩、深掘りしたい
  • 簿記の勉強で挫折したけど再チャレンジしたい

わかりやすい具体例を用いて、会計のモヤモヤを解消します。「1年生」とありますが、連結会計やキャッシュ・フロー計算書まで幅広く取り扱ってます。

ボブ(勉強中)

会計学習の1冊目ならこれが最適!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 仕入時の取得原価に付随費用を加える、
    取得原価=本体価格+付随費用
    だとして、
    返品時には本体価格のみで仕入勘定を逆仕訳すると、
    返品した商品の取得時の付随費用が、
    手元に残った商品に負わされて、
    単価が上がるようですが、
    返品しただけで手元の商品の取得原価が上がるのは、
    会計的にオッケーなのでしょうか。

    また、仕入勘定が売上原価を示すとするのに、
    返品した商品の仕入時の付随費用が仕入勘定の残高に含まれるようなのですが、売ってない商品の付随費用の金額が売上原価に含まれるのも適切な結果なのでしょうか。

    まあ、問題文の通りに覚えますが、謎です。

コメントする

目次