先日の簿記1級を受験されたみなさま、お疲れ様でした!
受けた人、それぞれの感想があると思いますが、個人的な所感を記しておきます。
nobo初の試みとして、ガチ解きを収録!講師はどう解いているのか?が気になる方はぜひ見てください
全体として
今回は簡単な回だった!
一部解きづらい部分や、いつもと傾向が違うという点はありましたが、 全体としては解きやすい問題でした。
理不尽な問題もなかったので、実力が反映されやすい回だったと感じます。
とは言っても、そこは1級。
70点を超えるのが容易かと言うとそうではありません。
ちゃんと実力が備わってないと、70点を超えることは難しいでしょう。
ということで、今回70点超えた方は、おめでとうございます!ここまで勉強した成果を発揮できて素晴らしいです👏 自分自身を遠慮なく褒め讃えちゃってください。
そのうえで、簿記1級合格がゴールではないと思うので、この合格を糧に、この勢いで、ぜひより大きな成果を出せるよう、次なる目標に向けて頑張ってほしいと思います。
一方、残念ながら届かなかったという方は、ここまでの勉強を振り返りつつ、ぜひ弱点強化をしてほしいと思います。1級は合格率が低い試験ですが、決して理不尽な試験ではありません。
きちんと実力を身につけられれば、合格できる試験です。
これまでの頑張りを活かすためにも、ぜひ切り替えて前向きに頑張ってほしいと思います。
簿記受験者向けの「公認会計士」&「U.S. CPA」セミナーが開催されます。どちらも簿記1級の勉強がすごくアドバンテージとなる資格ですので、興味があればご参加ください。

登川雄太(管理人)ちなみに、U.S. CPAの講座の一部を担当することになりました!いっしょに合格目指しましょう!
商業簿記
商業簿記は連結会計の総合問題でした。
ここ最近は、決算の総合問題がずっと続いていましたが、今回は連結会計でした。
前回の第170回では連結が出題されなかったので、その揺り戻しかな〜という気がします。
(ということは次回は決算の総合問題?!と思いたいですが、本支店会計とかありそうで怖い)
出題論点は以下のとおり。
- 連結税効果
- 段階取得
- 取得関連費用
- 一部売却(その他有価証券評価差額金&税金あり)
- 未実現利益(ダウンストリーム)
- 貸倒引当金
資本連結と成果連結がまんべんなく出題されていますが、いずれもオーソドックスな出され方でした。
連結会計の実力差がはっきり出そうな問題なので、かなり良問だと思います。
(連結会計の実力試しとしていい問題なので、もし今回の本試験を受けてないという方は、いつか解いてみてください)
2年分の金額を算定するという点は少し特殊ですが、特に難しくないので、できれば高得点を取りたいです。
ただ、一部売却が結構難しいので、資本剰余金と利益剰余金は正答できなくてOKです。
目標点数:16点
会計学
第1問が理論問題、第2問が個別キャッシュ・フロー、第3問がソフトウェアでした。
まず第1問の理論問題は、語句記入でした。
語句記入は、それだけで難易度が上がるので、受験生泣かせですね。
それでも出来れば3問は正解したいところです。
続いて第2問は、まさかの個別キャッシュ・フロー計算書でした。 しかも直接法。
完全に切っていた方はきつい出題でしたが、簡単な箇所は結構ありました。
<金額を埋めるだけの箇所>
- その他の営業支出
- 短期借入金の返済による支出
- 株式の発行による収入
- 配当金の支払額
- 現金及び現金同等物の換算差額
- 現金及び現金同等物の期首残高
- 現金及び現金同等物の期末残高
<ちょっとした計算で算定できる箇所>
- 法人税等の支払額
- 短期借入れによる収入
- 現金及び現金同等物の増減額
どこに配点がくるか分かりませんが、この辺をある程度埋めることが出来れば及第点だと思います。
個別キャッシュ・フロー計算書自体はレアな出題となりましたが、この問題自体はかなり良問です。
商簿の連結と同じく、実力試しにうってつけですので、今回できなかったという方は、ぜひ再トライしてみてください。
第3問のソフトウェアは超基本の問題です。
均等償却額との比較を忘れちゃいやすいですが、これは完答したい。
目標点数:12点
工業簿記
工業簿記は部門別計算でした。
出題予想&模擬試験がズバリ当たったので安心しました。
しかし、実際には解きづらい問題でしたね。
まず仕訳が聞かれました。
仕訳自体は、勘定連絡図を理解できていれば難しいことはありません。
しかし、普段意識して勉強できている方は少ないと思いますので、面食らった方も多いはず。
工業簿記では度々、仕訳問題が出題されているので、今後はしっかり対策しておきましょう。
繰り返しになりますが、工簿の仕訳は勘定連絡図が大切です。 各計算と勘定連絡図のつながりをまず理解するようにしてください。そこが理解できれば、おのずと仕訳も書けるようになります。
問3では、会話文形式で、1級工原お得意の「問題文を読んでいくなかで、何をやらせたいのか把握する必要がある」という出題でした。
問2までに補助部門について直接配賦法の計算をしていたのに、問3では補助部門相互の用役提供&自家消費も考慮する形になり、かなり戸惑ったことでしょう。
ただ、素直に解いていくと、半分以上は埋めることができます。
個人的には最後の⑦は、すごく解きづらかったです…
問題文から意図を読み取るというのは、簿記1級の工原を攻略するうえで必須の力となってますので、苦手な方は過去問で演習するようにしてください。
問4の連立方程式法は、かなり苦戦させる問題でした。
そもそも、「上記の会計課長の説明を反映した」とあるので、問3ができないと解けない問題かと思いきや、実はそうでないという点が、まず解きづらい。
さらにそこに気づいたうえで、自家消費も考慮して連立方程式を立てる必要があるという、困惑系の問題。
受験生の声を拾うと「問4は間違えました」という方が結構いました。
それも理解できます。
ということで、工業簿記はぱっと見簡単そうな問題だけど、実際には点数がとりづらい問題だったと思います。
目標点数:原価計算と合わせて40点程度
原価計算
原価計算は、設備投資の意思決定からの出題でした。
これまた、出題予想&模擬試験がビタ当たりしました。
内容面もかなりシンプルだったので、満点を狙える問題だったと思います。
ただ、設備投資の意思決定は、1つミスすると芋づる式に間違える性質があるので、意外と点差は開きやすい問題です。
特に、問3の「節税効果を無視する」は、間違えやすい出題になっているので、ここで失点した方は多いと思います。ここを間違えた方は、節税効果について再度理解を確認するようにしましょう。
目標点数:工業簿記と合わせて40点程度
最後に
何はともあれ、受験された皆様本当にお疲れ様でした!
合否関係なく、人生は続いていきます。どういう結果だったとしても、前向きに次の目標に向けて頑張ってほしいと思います。
みなさんの感想もお待ちしています(n^o^)b
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コメント
コメント一覧 (3件)
初めまして。
今回の自己採点が6社のうち3社が67点、残り1社ずつ68点、70点、71点でした。
これは素点ベースだと67点が濃厚ということになりますか?
また、今回は傾斜などもないと予想が多いので合格は厳しいでしょうか?
先生の見解をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
登川先生、いつも大変お世話になっております。前回の第170回試験では論点の復習不足、基礎力が身についていなかったため不合格となってしまいました。しかし、今回の試験では、実力を発揮してギリギリ合格ラインに到達することができました。正直、合格しているかどうかは全くわからないのでとても不安です。
6社の解答速報で自己採点をしました。漠然とした質問で大変恐縮ですが、先生の経験上、この点数で合格している可能性はどのくらいあるでしょうか。
商 会 工 原 合計
CPAラーニング 14 16 21 19 70
TAC 14 17 21 18 70
ネットスクール 15 15 22 18 70
大原 14 15 22 17 68
東京CPA会計学院 14 17 22 18 71
クレアール 14 15 21 17 67
現在、私は中学3年生です。日商簿記1級に合格したら、CPA会計学院さんの高校生専用コースで公認会計士の勉強を始めようと思っています。その際は、どうぞよろしくお願いします(^^)
長文失礼しました。
70点超えている方が多いので、受かってる可能性の方が高いと思います!
中学3年生でこの点数はめちゃくちゃ立派です。
今回の合否関係なく、会計士に受かるポテンシャルあると思うので、ぜひ会計士チャレンジしてほしいです!